小松島市運輸部

小松島市運輸部の歴史と変遷

小松島市運輸部は徳島県小松島市で路線バスと貸切バスのサービスを提供していた地方公営企業です。この企業は1951年に設立され、その後66年の間、小松島市民やフェリー利用者に重要な公共交通の役割を果たしました。企業の運営に必要な施設として、小松島市営バス営業所が小松島町新港に位置していましたが、2015年3月31日をもってバスサービスは廃止されました。

運営の終了にあたって、4月1日より徳島バスが小松島市の路線を引き継ぎ、これらの路線は「小松島市協定路線」として知られています。移譲に際しては、一部路線の再編も行われました。特に、市営バス廃止後の2016年の市議会では、営業所跡地を小松島市立図書館の駐車場として活用する計画が語られていました。

小松島市運輸部の歴史的背景

小松島市運輸部は1951年に設立され、当初は小松島町がバスの運行を開始しました。当時、バスは市民や観光客に広く利用され、最盛期の1968年には約300万人の乗客数に達していました。しかし、モータリゼーションの進展や旅客航路の廃止、交通インフラの変化が影響し、時代が進むに連れてバスの利用者数は減少しました。2013年度には乗客数が45.4万人に落ち込む結果となります。

小松島市は「四国の東門」と称される港町で、海運が栄えていた時代から、関西と四国を結ぶ重要な交通拠点として機能していました。小松島港はかつて南海フェリーの発着地として重要視されていましたが、1985年の国鉄小松島線の廃止に伴い、鉄道との連絡が失われました。その後、1998年に明石海峡大橋が開通したことにより、フェリー利用者が減少し、最終的には1999年にフェリーの発着地が小松島から徳島フェリーターミナルに移転しました。これらの変化により、小松島市は交通の中心地としての地位が低下していきました。

バス路線と運行形態

運輸部が運営していた路線は小松島市内に広がっており、珍しくも徳島市への直通路線も存在しました。2012年10月の段階で、3路線・5系統が運行されていました。その中には立江線、田浦線、和田島線などが含まれており、特に立江線は徳島駅までの連絡を提供する重要な路線でした。しかし、路線再編により、徳島駅発着の便は大幅に削減され、運行形態もシンプルになりました。

貸切バス事業とその他の取り組み

小松島市運輸部は貸切バス事業も手掛けていましたが、路線バスの前に運営を終了しました。この貸切バス事業は規模が大きく、特に海部観光のツアーバス「MYエクスプレス」の運行受託を行っていました。近年、ノンステップバスなど新しい車両を導入し、英語での停留所案内も行うなど、乗客に配慮したサービスを提供していました。

結論

小松島市運輸部の廃止は地域交通に大きな影響を与えましたが、路線バスや貸切バスの運営を通じて地域住民や観光客に寄与してきたことは評価されるべきです。現在は徳島バスがその役割を引き継ぎ、地域社会の交通インフラの一部を担っています。

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