小林弘忠

小林弘忠（1937年3月26日 - 2017年7月）は、日本のノンフィクション作家です。

東京都で生まれ、1960年に早稲田大学教育学部を卒業後、毎日新聞東京本社に入社しました。社会部、地方版編集長、情報調査部長、メディア編成本部長などを歴任し、新聞記者として長年活躍しました。

1992年に毎日新聞社を退社後、立教大学や武蔵野女子大学などで講師を務める傍ら、ノンフィクションを中心とした執筆活動に力を注ぎました。その作品は、新聞報道、戦争、歴史、社会問題、文化など、多岐にわたるテーマを扱っています。

2006年には、『逃亡―「油山事件」戦犯告白録』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しました。この作品は、戦後日本の闇に迫る渾身のノンフィクションとして高く評価されています。

小林弘忠の著書には、以下のようなものがあります。

『新聞記事ザッピング読解法』(自由国民社, 1993)
『マスコミ小論文作法 受験生・マスコミ志望者・社会人の文章読本』(三一新書, 1995)
『マスコミvs.オウム真理教』(三一書房, 1995)
『マスコミ記事/ビジネス実用文・書き方入門 「文章表現」講座』(自由国民社, 1996)
『新聞報道と顔写真 写真のウソとマコト』(中公新書, 1998)
『巣鴨プリズン 教誨師花山信勝と死刑戦犯の記録』(中公新書, 1999)
『浮世はままよ 岸田吟香ものがたり』(東洋経済新報社, 2000)
『『金の船』ものがたり 童謡を広めた男たち』(毎日新聞社, 2002)
『ニュース記事にみる日本語の近代』(日本エディタースクール出版部, 2002)
『急増する犯罪リスクと危機管理』(講談社+α新書, 2002)
『大江戸「懐」事情 知れば知るほど』(実業之日本社, 2003)
『江戸川柳で現代を読む』(日本放送出版協会, 2005)
『私の戦後は終わらない 遺されたB級戦犯妻の記録』(紀伊國屋書店, 2005)
『逃亡 「油山事件」戦犯告白録』(毎日新聞社, 2006)
『太平洋戦争 知れば知るほど』(実業之日本社, 2006)
『熟年介護日誌 病人が病人を看るということ』(日本放送出版協会, 2007)
『歴代首相 知れば知るほど』(実業之日本社, 2008)
『天に問う手紙 無実の戦犯救済に半生をささげた植木信吉』(毎日新聞社, 2008)
* 『満州開拓団の真実 なぜ、悲劇が起きてしまったのか』(七つ森書館, 2017)

これらの著作を通して、小林弘忠は、ジャーナリストとしての視点と、歴史への深い洞察力をもって、日本の社会と文化を多角的に描き出しました。特に、戦争に関する作品においては、埋もれた史実を掘り起こし、戦争の悲惨さや人間の尊厳について深く考えさせられる内容となっています。

晩年まで精力的に執筆活動を続け、2017年7月に逝去されました。その作品は、今もなお多くの読者に読み継がれ、深い感銘を与え続けています。

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