小林晋一郎

小林 晋一郎

小林晋一郎（こばやし しんいちろう、1955年5月25日生まれ）は、日本の歯科医師であり、歯学者や開業医としても知られています。神奈川歯科大学短期大学部の客員教授であり、元神奈川歯科大学の口腔外科講師でもあります。出身地は北海道札幌市です。

職業と教育

小林は1980年に神奈川歯科大学歯学部を卒業した後、そのまま大学院に進学し、1984年に歯学博士号を取得しました。卒業後は口腔外科の助手としてキャリアをスタートし、1988年からは講師を務め、その後開業しています。現在も同大学の非常勤講師として活動し、教育に力を入れています。

漫画家志望から特撮作家へ

学生時代、小林は漫画家を志し、萩尾望都に影響を受けていました。『週刊マーガレット』の新人漫画賞に入選し、デビュー作の掲載が予定されていましたが、大学院の学位論文に重なってしまったため、執筆を断念しました。彼がその時に執筆していた『風に哭くビオランテ』のアイデアは、後に映画『ゴジラvsビオランテ』に転用されています。

特撮作品との関わり

小林は特撮ファンとしても知られ、特に「ゴジラシリーズ」や「ウルトラシリーズ」において脚本やデザインを手がけました。

テレビ作品

• - 『帰ってきたウルトラマン』第34話「許されざるいのち」（1971年） では、13本の怪獣デザインを円谷プロに提出し、そのうちの1本が採用されました。登場怪獣「レオゴン」の原案を手がけ、これが新聞にも掲載されました。

• - 『ミラーマン』 では、第3話「消えた超特急」の怪獣ダークロンの原案をデザインしました。このデザインは『帰ってきたウルトラマン』向けに作ったガロア星人に基づいています。

映画作品

• - 『ゴジラvsビオランテ』（1989年）では、ストーリー原案コンテストに応募し、5050本の中から選ばれました。この作品からは、小林の歯科医としての知見が盛り込まれ、ゴジラの歯が二重歯列になっています。

• - 『ゴジラvsスペースゴジラ』（1994年）では、自身が描いたデザイン案の中から「結晶生物」というスペースゴジラの基本コンセプトが生まれました。

• - 『ゴジラ2000 ミレニアム』（1999年）にもエンディングテロップで名前が掲載されています。

著作活動

小林は特撮に関する著作も多く、以下のような著書を持っています。

• - 『ウルトラマン白書』 （朝日ソノラマ）では「形態学的ウルトラマンデザイン論」を執筆。
• - 『形態学的怪獣論』（1993年）や『バルタン星人はなぜ美しいか』（2003年）の著作も注目されています。
• - また、『歯科臨床に役立つ炎症の話』や『「ゴジラ」東宝特撮未発表資料アーカイヴ』などの共著も多数あります。

学術論文

小林は多くの学術論文も発表しており、特に唾石症に関する研究が知られています。彼の研究により、唾液成分の病態生化学的な側面が深く探求されています。具体的には、唾石症における唾液成分の研究に関する数篇の論文があります。

まとめ

歯科医師としてのキャリアだけでなく、特撮ファンとしても独自の道を歩んできた小林晋一郎は、科学と芸術の境界を越えた創作活動を展開し、業界内外に影響を与えてきました。その多才な活動は、彼を日本の特撮文化に欠かせない存在としています。

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