小檜山博

小檜山 博（こひやま はく）

小檜山博は1937年4月15日に北海道滝上町で生まれた日本の小説家であり、本名は「博」を「ひろし」と呼ぶ。現在は札幌市に在住しており、神田日勝記念美術館の館長を務めている。また、元北海道教育大学の特任教授でもあった。

略歴

北海道苫小牧工業高等学校の電気科を卒業した後、北海道新聞社での勤務をしながら執筆活動を始め、その活動は文芸誌「文學界」、「新潮」、「すばる」などでの作品発表を通じて広まった。また、同人誌「北方文芸」にも参加し、積極的に文学活動に取り組んでいた。

彼の作家としての活動は1976年に発表された小説『出刃』から本格化し、この作品は第1回北方文芸賞を受賞し、第75回芥川賞候補にも名を連ねた。これを契機に彼は、本格的な作家として更なる創作活動を展開していく。

その後、1983年に発表した『光る女』は第17回北海道新聞文学賞と第11回泉鏡花文学賞を受賞するなど、彼の名声を不動のものとした。この作品は1987年に相米慎二の手により映画化され、キネマ旬報のベストテンで第9位に選ばれるなど、多くの人々に親しまれることとなった。

更に、1997年には札幌芸術賞を受賞し、1998年には故郷である滝上町から社会功労賞を受けるなど、地域における貢献も評価された。2003年には自身の自伝にあたる『光る大雪』が第7回木山捷平文学賞を受賞するなど、作家としての地位を確立した。

2005年には著作『スコール』を原作とした映画『恋するトマト』が公開され、その作品も多くの賛同を得た。彼の作家生活30周年を記念して2006年には『小檜山博全集』が刊行され、これまでの文学活動を一冊にまとめることができた。

しかし、2008年には毎日新聞の読者投稿からの盗用が発覚し、その結果として北海道教育大学の特任教授を辞職することとなった。この事件は彼の業績に影を落とすものであったが、その後も作家としての活動は続いている。2009年10月3日には出身地滝上町に文学碑が建立され、地域の文学文化への貢献が認められた。

著作一覧

小檜山博は多くの著作を残しており、その数は多岐にわたる。代表的な著作には次のような作品がある：

• - 『出刃』 （構想社、1976）
• - 『光る女』 （集英社、1983）
• - 『光る大雪』 （講談社、2002）
• - 『人生という旅』 （講談社、2004）
• - 『漂着』 （柏艪舎、2010）

これらの作品を通じて、小檜山は自身の独自の視点を持った物語を展開し、多くの読者に影響を与え続けている。彼の作品は、北海道の自然や人々の生活を背景にしたものが多く、リアルな描写と深い人間理解に基づいた内容が特徴的である。これからも彼の活動から目が離せない。

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