小泉六一

小泉六一（こいずみ ろくいち）

小泉六一は、1875年（明治8年）に広島県で生まれ、1945年（昭和20年）に亡くなった日本陸軍の軍人です。最終階級は陸軍中将。

生い立ちと初期の軍歴

小泉六一は、広島藩の下士・士族である秋山恂一の次男として誕生しました。その後、小泉弥一の養子となり小泉姓を名乗ります。陸軍幼年学校を経て、1896年（明治29年）5月に陸軍士官学校（7期）を卒業。翌年1月に歩兵少尉に任官し、歩兵第21連隊に配属されました。1903年（明治36年）11月には陸軍大学校（17期）を卒業しています。

日露戦争と第一次世界大戦

日露戦争では、歩兵第11連隊の中隊長として出征し、その後、第4師団参謀、第2軍参謀を歴任しました。第一次世界大戦では、1915年（大正4年）8月から青島守備軍副官を務めました。この間、第1師団参謀、陸軍省軍務局歩兵課員、歩兵第1連隊付、欧州出張も経験しています。

関東大震災と甘粕事件

第一次世界大戦後、小泉六一は歩兵第1連隊長、軍務局歩兵課長などを務め、1920年（大正9年）8月に陸軍少将に進級しました。その後、陸軍兵器本廠付（作戦資材整備会議幹事長）を経て憲兵司令官に就任。しかし、1923年（大正12年）9月の関東大震災直後に発生した甘粕事件に関与したとして、同年9月20日に停職処分を受け、翌年1月に待命となりました。

復帰と晩年

一時失脚したものの、1924年（大正13年）2月には歩兵第13旅団長として復帰し、1925年（大正14年）5月には陸軍中将に進級しました。その後、支那駐屯軍司令官、第11師団長、第3師団長などの要職を歴任し、1930年（昭和5年）8月に予備役となりました。予備役編入後も、1936年（昭和11年）から1944年（昭和19年）6月まで帝国在郷軍人会副会長を務めました。

栄典

小泉六一は、その軍功により、以下の位階と勲章を授与されています。

位階
1920年（大正9年）9月10日 - 正五位
1925年（大正14年）6月1日 - 従四位

勲章等
1915年（大正4年）4月24日 - 勲三等瑞宝章
1919年（大正8年）11月28日 - 旭日中綬章
1921年（大正10年）7月1日 - 第一回国勢調査記念章
1922年（大正11年）6月27日 - 勲二等瑞宝章
* 1928年（昭和3年）7月30日 - 勲一等瑞宝章

親族

兄には、法政大学学長を務めた秋山雅之介がいます。

まとめ

小泉六一は、明治から昭和にかけて激動の時代を生き抜いた陸軍軍人でした。日露戦争や第一次世界大戦といった戦役に従軍し、多くの要職を歴任しました。関東大震災後の甘粕事件で一時失脚するも、その後の復帰を果たし、帝国在郷軍人会副会長も務めるなど、多岐にわたる活躍を見せました。

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