秋山雅之介

秋山雅之介

秋山雅之介（あきやま まさのすけ、慶応2年1月23日（1866年3月9日） - 昭和12年（1937年）4月11日）は、日本の官僚、法学者、そして教育者です。激動の時代の中、そのキャリアは多岐にわたり、国際舞台から国内行政、教育界まで幅広い分野でその才能を発揮しました。

生い立ちと初期のキャリア

秋山雅之介は、広島藩の足軽であった秋山恂一の長男として生まれました。1890年（明治23年）には東京帝国大学法科大学英法科を卒業し、外務省に入省。イギリスやロシアの公使館で書記官として勤務しました。外交官としてのキャリアをスタートさせましたが、病のため官を辞職。その後は国際法の研究に専念し、法学博士の学位を取得しました。この時期の研究が、後の彼のキャリアの基礎を築いたと言えるでしょう。

日露戦争と朝鮮総督府時代

講師として和仏法律学校や明治法律学校で教鞭を執っていた秋山ですが、日露戦争の直前に陸軍省参事官に任命され、国際法の専門家として活躍。さらに法制局参事官も兼任し、国際法の顧問として、日本の国際的な立場を支えました。その能力は当時の陸軍大臣であった寺内正毅に認められ、寺内が朝鮮総督に就任すると、秋山は朝鮮総督府参事官として招聘されます。朝鮮総督府では、司法部長官や中枢院書記官長事務取扱などの要職を歴任し、朝鮮統治の一翼を担いました。

1917年からは、青島守備軍民政長官に就任。青島における日本の行政を統括しました。

教育者としての晩年

1922年に青島守備軍が廃止された後、秋山は法政大学の理事に就任。1931年からは学長として、大学の発展に尽力しました。また、帝国女子専門学校（現在の相模女子大学）の理事長も兼務するなど、教育者としての側面も持ち合わせていました。彼の教育への情熱は、多くの学生や関係者に影響を与えました。

死とその後

秋山雅之介は、1937年（昭和12年）4月11日に生涯を閉じ、その墓所は青山霊園にあります。

栄典

秋山は、その功績により、以下の位階と勲章を授与されています。

位階
1892年（明治25年）9月26日 - 従七位
1893年（明治26年）12月16日 - 正七位
1917年（大正6年）3月30日 - 従四位
1923年（大正12年）4月30日 - 従三位

勲章等
1902年（明治35年）12月28日 - 勲四等旭日小綬章
1906年（明治39年）4月1日 - 勲三等旭日中綬章、明治三十七八年従軍記章
1912年（大正元年）8月1日 - 韓国併合記念章

外国勲章佩用允許
1894年（明治27年）4月18日 - オスマン帝国：美治慈恵第四等勲章

親族

弟：小泉六一（陸軍中将）

参考文献

秋山雅之介伝記編纂会 『秋山雅之介伝』 1941年。
『人事興信録 十版（上）』人事興信所、1934年。
手島益雄『広島県百人物評論』日本電報通信社名古屋支局、1915年。
法政大学 『法政大学八十年史』 1961年。

関連項目

法政騒動

外部リンク

* 秋山雅之介｜近代日本人の肖像

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