小津安二郎 大全

小津安二郎 大全

『小津安二郎 大全』は、日本を代表する映画監督である小津安二郎についての包括的な書籍です。この本は、映像作家の松浦莞二と映画研究者の宮本明子によって編纂され、彼らは約10年にわたって収集した資料や共同取材の結果をまとめて、2019年に朝日新聞出版から刊行しました。

書籍の内容

この書籍は、伝記や作品解説といった基本的な情報に加え、小津少年期の絵画や中国出征時に撮影された写真など、初めて公開される貴重な資料が多数収められています。また、小津が使用していた40ミリレンズや、黒澤明の映画作品から受けた音楽的影響、さらには映画『お早よう』での黛敏郎起用に至るまで、幅広い知見が得られる内容となっています。

さらに、本書では小津の父母の離婚経験や、映画『懺悔の刃』におけるジョン・フォードからの引用といった新たな論点も取り上げられています。

書籍の構成

巻頭

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「僕にはすぐわかる」 ペドロ・コスタ

第一章：小津安二郎を聞く

この章では、山内静夫や香川京子、司葉子など、著名な映画人たちへの取材を通じて小津の実像に迫ります。

第二章：小津安二郎を知る

様々な論考が含まれており、長井秀行や山下和子などが小津を振り返ります。彼らの視点から、小津の映画がどのように評価され、思い出されているのかを探ります。

第三章：小津安二郎を見る

小津に関する資料が集約されており、小津の少年期の絵画や映画におけるデザインについての考察が含まれています。これにより小津がどのように視覚的表現を追求したのかが明らかになります。

第四章：伝記

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第五章：小津安二郎を聞く 取材集 II

さらに多くの関係者への取材結果が収められています。末松光次郎や田中康義などが語る小津のエピソードは、彼の人柄を垣間見ることができます。

第六章：小津安二郎を知る 論考集 II

国内外の映画研究者による小津の再考、特にその晩年を分析した内容や韓国におけるシネマテークの役割など、国境を越えた視点が展開されます。

第七章：小津安二郎 全作品ディテール小事典

小津の映画全作品の技法やその背景を俯瞰し、彼の残した言葉も収録されています。

結論

『小津安二郎 大全』は、映画監督小津安二郎の映画や彼自身について深く知ることができる貴重な資料集です。映画愛好者や研究者にとって必携の一冊であり、彼の作品や影響を受けた多くの人々の声が反映された内容は、小津映画の本質を理解するための良い手助けとなるでしょう。

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