小田切磐太郎

小田切 磐太郎

小田切磐太郎（おたぎり いわたろう、1869年11月6日 - 1945年9月22日）は、明治後期から昭和中期にかけて日本で内務官僚、政治家、実業家として活動した著名な人物です。出身は長野県須坂市で、彼の家系は地元の豪商で、幼少期から経済的基盤が整っていました。

内務官僚としてのキャリア

彼は、長野県尋常中学校、東京の第一高等中学校を卒業し、帝国大学法科大学法律学科を修了後、衆議院属としてキャリアをスタートしました。1896年に内務官僚に任命され、福島県、山形県、栃木県、茨城県、山口県で要職を歴任しました。最終的には1912年に山形県知事に就任し、当時の緊縮財政政策を推進しましたが、政友会と非政友会の対立によって議会からの圧力に直面しました。

1916年、小田切は沖縄県知事に任命されましたが、これは彼にとって「左遷」と感じられたため、6日後に辞職してしまいます。彼の内務官僚としての歴史は、非常に波乱に富んだものであったと言えます。

政界への進出

沖縄での短い在任後、故郷に戻り、弁護士として活動を開始しました。そして、1917年には立憲政友会から衆議院議員に初当選します。彼は1919年に信濃電気株式会社の取締役に就任し、その後も長野商工会議所の会頭など様々な役割を果たしました。

1920年には再度衆議院議員として当選し、決算委員長としても活躍しました。しかし、1924年の選挙では落選し、これを契機に政界から引退しました。

実業界での活動

政界から引退後、小田切は実業界での地位を確立しました。信濃電気株式会社、梓川電力、そして信越窒素肥料（現・信越化学工業）の取締役や副社長として活躍し、地域の電力供給や産業の発展に寄与しました。特に、信濃電気は彼の関与のもとで成長を遂げ、地域経済の重要な柱となりました。

また、長野商工会議所の会頭として商業の発展にも尽力し、地域の経済基盤を強化しました。しかし、1930年にはすでに信濃電気や信越窒素肥料の経営から離れ、さらにその後の経営状況は複雑になり、最終的には1941年に選任された役職に従事していました。

最晩年と栄典

1945年に75歳で没するまで、小田切はその生涯を通じて日本の内務、政治、実業界に深く貢献しました。その業績は、当時の経済や社会に多大な影響を与えたと言えるでしょう。彼の活動には、数々の栄典も与えられており、これは彼の公私にわたる功績を証明しています。

昭和に入る前の日本において、小田切磐太郎の影響は特に強く、地域社会の形成において忘れがたい存在となったのです。

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