小田原急行鉄道101形電車

小田原急行鉄道101形電車について

概要

小田原急行鉄道101形電車は、1927年4月1日の開業と同時に新宿駅から小田原駅までの郊外区間で使用された電車です。初めてのモデルとして、日本車輌製造により製造された12両の101形は、この時期の旅行需要を満たすために設計されました。その後、同年に車内が異なる121形と131形が各3両増備され、これらは後に手荷物室を客室に改造する過程を経ました。

1942年、東急に合併された際、これらの車両はデハ1200形に改名され、戦後もその形式は引き継がれました。1950年代には更新修繕が施されましたが、主電動機の転用により1968年に全車両が廃車となりました。

車両の詳細

車体

101形の車体は、長さ15240mm、幅2615mmであり、両運転台の半鋼製です。窓扉配置はd1(1)D3×3D(1)1dで、乗降扉は片側に2箇所設置されています。特に前面は丸みを帯びた非貫通式で、側面窓は落とし窓のデザインが採用されており、日除けとしてよろい戸が設置されています。141形や131形も基本的には同様の形状を持っていますが、正面のスタイル、乗務員扉の配置などに特徴があります。

車内

車内の設計は、木製ニス仕上げの内壁に白色塗装の天井、木製床油引きなどが特徴で、設備には真鍮製の金具が用いられています。座席は、101形ではロングシートとクロスシートの組み合わせが採用されており、131形は全てロングシートです。照明には白熱灯が使用され、客室内は快適が考慮されています。

歴史と運用

創業初期

小田原急行鉄道の開業時、この電車は新宿から稲田登戸までの路線に利用されており、運行ポテンシャルを高めるために仕立てられました。新宿 - 小田原間の急行列車の運行に合わせて、さまざまな改造なども実施されました。

後年の変遷

1942年には東京急行電鉄に統合され、その後の運行においても重要な役割を果たしました。特に、週末の観光列車ニーズの増加に伴い、海水浴客の需要に応える形で運行が拡大しました。1956年から1957年の間には、東急車輛製造での大規模な更新修繕が行われ、車両の性能が向上しました。

廃車

1960年代には、新たに製造された大型通勤電車の導入に伴い、比較的小型であったこれらの車両は運行から外されることとなりました。最終的には、1967年から1968年にかけて、全ての車両が廃車されましたが、その主電動機は新製の車両に流用されることになりました。

譲渡歴

廃車後、越後交通や岳南鉄道にそれぞれ2両ずつが譲渡され、地域での運用が続きました。これにより、元々の101形電車はその姿を変えながらも新たな歴史を刻んでいったことが分かります。

まとめ

小田原急行鉄道101形電車は、1927年に導入され、時代の変化に応じて多くの改良が施されつつ、長い間日本の鉄道運営に寄与してきました。その歴史は、旅客輸送の必要性と技術革新の過程を物語っており、今日もなお鉄道ファンにとって重要な存在であり続けています。

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