小田原町 (名古屋市)

小田原町（おだわらちょう）

小田原町は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。この町は、その歴史の中で、名古屋の発展とともに変遷を遂げてきました。

歴史

町名の由来

小田原町の名前は、江戸時代に繁盛していた肴屋町（さかなやちょう）の通称「小田原河岸」に由来します。この活気ある場所にあやかり、小田原町と名付けられました。

沿革

江戸時代: 慶長年間に清洲越しによって名古屋城下町の東一丁目として成立しました。その後、1640年（寛永17年）、1648年（慶安元年）、あるいは1653年（承応元年）に小田原町と改称されたとされています。この時期に町の基礎が築かれました。
1878年（明治11年）: 名古屋区の成立に伴い、小田原町は名古屋区の一部となりました。これにより、近代的な行政区画の一部として組み込まれました。
1889年（明治22年）: 名古屋市の成立に伴い、小田原町は名古屋市の一部となります。都市としての発展の中で、その一部を担いました。
1908年（明治41年）: 西区の成立に伴い、小田原町は西区に編入されました。行政区画の変更と共に、その姿を変えていきます。
1912年（大正元年）: この年には、小田原町内でいくつかの重要な出来事がありました。10月には料理業の合名会社河文が設立され、11月には大正土地株式会社が資本金100万円で設立され、加藤重三郎が社長に就任しました。12月には中央印刷株式会社名古屋支店が設置され、町の経済活動が活発化しました。
1944年（昭和19年）: 栄区の成立に伴い、小田原町は栄区の一部となりました。この時期には、太平洋戦争の影響を受けることとなります。
1945年（昭和20年）: 栄区の廃止に伴い、小田原町は再び中区に編入されました。戦後の混乱期を経て、町の復興が進められました。
1966年（昭和41年）: 住居表示の実施に伴い、小田原町は丸の内二丁目に編入され、その名前は地図から消えました。これにより、小田原町としての歴史は幕を閉じました。

字一覧

1932年（昭和7年）に愛知県教育会が発行した『明治十五年愛知県郡町村字名調』によると、当時の名古屋区小田原町には「魚ノ棚」という字が存在しました。

参考文献

名古屋市会事務局 編『名古屋市会史 別巻第2 総合名古屋市年表（大正編）』名古屋市会事務局、1963年3月10日。
福岡清彦『中区の町名』名古屋市中区役所、1976年。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

小田原町は、その名前こそ失われましたが、名古屋の歴史の一部として、その足跡を今に伝えています。

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