小田急20000形電車

小田急20000形電車と富士急行8000系電車について

概要

小田急20000形電車は、大手私鉄の小田急電鉄が1991年から2012年まで特急用車両として運用していたロマンスカーの一種です。この車両は、当初は小田急小田原線とJR東海御殿場線の相互直通運転を目的に登場しました。特に連接構造や前面展望席を採用せず、2階建て車両（ダブルデッカー）や特別席としてスーパーシートとグリーン席を装備している点が特徴です。その性能や快適性が評価され、1992年には鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞しました。

さらに、この小田急20000形は、2014年に富士急行に譲渡され、8000系電車として富士急行線で再運行されたことが注目されています。

開発の背景

小田急は、1955年から御殿場線への直通列車を運行しており、1968年からはSE車を使用しました。しかし、これらの車両は年数が経過し、性能や快適性の面で限界に達していました。特に国鉄の組合闘争や資金の問題から新型車両の導入がされなかったことも影響しています。しかし、1989年以降、御殿場線の利用客が増加し、新型車両の必要性が高まったことから、相互直通運転に関する協議が始まりました。

結果的に、373系電車と基本仕様を統一することが決定され、新型のRSE車が開発されました。7両固定編成として長さ140m程度に設定され、これが特急ロマンスカーとして人気を集めることになりました。

車両の仕様

基本構造

小田急20000形は7両編成で、先頭車両は制御電動車のデハ20000形、中間には電動車のデハ20000形と付随車のサハ20050形が配置されています。各車両は全金属製の車体を持ち、左右非対称の流線形の外観が印象的です。また、客用扉は自動開閉式の折戸が採用されており、快適な乗降をサポートしています。

内装と快適性

内部は新宿から沼津までの長時間運転を考慮し、ゆったりとしたスペース設計がなされています。間接照明や特注のカーペット、プリーツカーテンなどが特徴で、乗客がリラックスできる環境が提供されています。さらに、車両の3つのブロックはそれぞれ異なるテーマ（海、山、都会）に基づいてコーディネートされています。

富士急行8000系への転用

2012年に小田急での運用が終了した後、富士急行がRSE車を譲り受け、8000系として再編成されました。これは、老朽化が進んでいた2000形（旧JR東日本165系）に代わるものとして位置付けられ、2014年から運行が始まりました。

改装内容

富士急行での運用においては、先頭車両のデザインには子ども向け運転台が新設され、さらに車椅子スペースが確保されたり、内部がバリアフリー化されました。外観は富士山のキャラクターをデザインした車両が導入されるなど、大きな変化を遂げました。

結論

小田急20000形電車は、そのデザインや性能、快適さから多くの利用者に愛されました。運用終了後も、富士急行8000系として新たな旅の扉を開き、地域資源を活用した輸送に寄与しています。今後も、地域の観光と交通の一部として重要な役割を果たし続けることでしょう。

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