小畑勇二郎

小畑勇二郎の生涯と業績

小畑勇二郎（おばた ゆうじろう）は、明治39年（1906年）9月19日に秋田県で生まれた日本の政治家です。彼は従三位に叙せられ、勲一等を受章した実績を持ち、特に秋田県知事としての24年間は県の発展に大きく寄与しました。

生い立ちと初期のキャリア

小畑は北秋田郡早口村（現在の大館市）で雑貨商を営む父勇吉と、母シカの二男として育ちました。大正13年（1924年）に旧制秋田中学校を卒業後、小学校の代用教員を務め、その後、養父のもとで早口村役場の書記として7年間働きました。この間に松尾好子と結婚しました。昭和14年（1939年）には秋田県庁に入り、民生部長や総務部長としての経験を積むこととなります。

知事への道

昭和26年（1951年）に行われた第2回秋田県知事選挙では、日本社会党から推薦を受けて立候補しましたが、現職知事に敗れました。その後、秋田市助役を務めながら、昭和30年（1955年）の第3回秋田県知事選挙に挑戦します。今回は、野党連合の策略が功を奏し、無事初当選を果たします。

秋田県知事としての業績

知事としての任期が始まった時、秋田県は累積赤字に直面していましたが、小畑は再建計画を実施し、赤字を2年早く解消することに成功しました。彼の業績には、秋田テレビの開局、八郎潟の干拓、新秋田空港の開港、国民体育大会の開催、秋田経済大学の設立、秋田大学医学部の開設、さらに新産業都市開発プロジェクトの推進などが含まれます。

特に、秋田県における教育と医療の充実にも力を入れ、老人医療費の無料化や秋田県立農業短期大学、脳血管研究センター、博物館の設立といったプロジェクトも手掛けました。これらの事業は、県民の生活向上に大きく貢献しました。

引退とその後

昭和53年（1978年）には第9回統一地方選挙への不出馬を表明し、昭和54年（1979年）に知事職を退任します。引退後は、秋田経済大学の理事長、秋田県生涯教育推進協議会会長、さらに自治省の地方制度審議会委員として活動し続けました。彼の努力は多くの人々に評価され、昭和54年に勲一等瑞宝章を受章し、昭和56年には秋田県初の名誉県民の称号も与えられました。

残念ながら、彼は昭和57年（1982年）10月5日に76歳で逝去しました。彼の死後、秋田県の歴史において重要な人物として記憶されています。戒名は「顕徳院殿誠観勇進大居士」で、従三位に叙されました。

著書

小畑勇二郎はまた、いくつかの著書も残しています。主な作品には、内外情勢調査会編『秋田県の所得倍増をどうすすめるか』、同じく『十五年後の秋田農業のビジョン』、さらには『秋田の生涯教育』などがあります。彼の視点から見た秋田県の未来への展望は、今もなお多くの人々に影響を与えています。

小畑勇二郎の業績は秋田県の発展に寄与し、彼の名前は今も県民の心に刻まれています。

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