小神明町

前橋市 小神明町

群馬県の県庁所在地である前橋市に位置する小神明町（こじんめいまち）は、市の北東部を構成する地域の一つです。この町の郵便番号は371-0134と定められています。2013年時点での統計によると、小神明町の総面積はおよそ0.74平方キロメートルとなっています。

地理

小神明町は、前橋市の中でも、雄大な赤城山の南斜面に広がる台地の南端部に位置しています。その地形的な特徴として、町の南部は、かつて流れていた旧利根川によって形成された左岸側の段丘崖によって、地形的に明確な境界線が作られています。この段丘崖は、周辺地域からの標高差を生み出しています。

歴史

「小神明」という地名は古く、江戸時代頃には既に地域名として用いられていました。この地は、江戸時代を通じて前橋藩の領地の一部であったことが知られています。歴史的な文書としては、天正20年（1592年）に当時の厩橋（後の前橋）藩主であった平岩親吉が、甲斐国の有力武士団である御嶽衆に対し知行地を与えた際の記録に、「小神明」という地名が見られることから、その名前が少なくとも戦国時代末期には存在していたことが確認できます。

近現代における行政区画の変遷を見てみましょう。

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行に伴い、それまでの小神明村は近隣の勝沢村、小坂子村、五代村、端気村、鳥取村、嶺村と合併し、南勢多郡芳賀村の一部となりました。
1896年（明治29年）4月1日：郡統合が実施され、東群馬郡と南勢多郡が統合されたことにより、芳賀村は新設された勢多郡に所属することになりました。
* 1954年（昭和29年）4月1日：戦後の大規模な市町村合併の一環として、芳賀村は周辺の1町5村（元総社村、上川淵村、下川淵村、桂萱村、群馬郡東村、総社町）と共に前橋市に編入されました。これに伴い、旧芳賀村の一部であった小神明は、前橋市小神明町として現在の地名となりました。

近年、小神明町は産業面での変化も経験しています。この地域の一部に芳賀西部工業団地が造成され、これに伴って複数の工場が進出するなど、工業地としての機能も持つようになっています。

地名の由来

「小神明」という地名の起源については、歴史的な背景が考えられています。この地域はかつて「細井御厨（ほそいみくりや）」と呼ばれる広大な荘園の一部であり、古くは「古神明（こじんめい）」と呼ばれていたものが、長い年月の間に徐々に変化（転訛）して現在の「小神明（こじんめいまち）」という名称になった可能性が高いとされています。

交通

小神明町内には、鉄道路線や鉄道駅は設けられていません。しかし、道路交通においては重要な幹線道路が通過しています。特に、国道17号のバイパスとして整備された上武道路が町の北部を東西方向に横断しています。この上武道路のうち、群馬県道3号前橋大間々桐生線と群馬県道4号前橋赤城線を結ぶ区間が2012年（平成24年）12月22日に開通したことにより、小神明町は初めて国道が通る地域となりました。これにより、広域的な交通アクセスが向上しています。なお、町内に主要な県道は確認されていません。

施設

町内に立地する主な施設としては、相模屋食料株式会社の第2工場などが挙げられます。これは、近年進む地域の産業化の一端を示すものです。

小神明町は、赤城山南麓の自然に囲まれた台地上に位置し、江戸時代からの長い歴史を有しながらも、近代には工業団地の整備や主要道路の開通といった変化を遂げてきました。歴史的な背景と現代の産業活動が共存する、前橋市の一地域です。

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