小禄バイパス

小禄バイパス

小禄バイパスは、沖縄県那覇市赤嶺から豊見城市名嘉地に至る、全長約3.64kmの国道331号のバイパスです。この道路は、那覇市と糸満市を結ぶ主要な幹線道路であり、地域住民の生活を支える重要なインフラとなっています。

建設の背景

建設前、この区間はカーブが多く、道路状況が必ずしも良好ではありませんでした。さらに、那覇市と豊見城市の人口増加に伴い、交通量が急増し、既存の道路網だけでは対応が困難になり、那覇市中心部では慢性的な渋滞が発生していました。これらの問題を解決するため、バイパスの建設が計画されました。

本土復帰後の1978年に事業化され、那覇市内のルートは米軍基地および自衛隊基地内にあったため、用地返還後、1986年に着工、1989年12月に開通しました。バイパスの開通によって、交通渋滞が大幅に緩和され、糸満 - 那覇間の所要時間が短縮されました。また、2003年に那覇空港自動車道が豊見城ICまで開通したことで、沖縄本島中北部方面から沖縄自動車道を経由して那覇空港へ向かう重要なアクセス道路としての役割も担うようになりました。

その後の変遷

開通後、小禄バイパスは地域住民の生活を支える重要な道路として機能してきました。1990年代後半からは、毎年12月に開催される国内最大級の市民マラソン「NAHAマラソン」のコースとしても利用されるようになり、地域イベントにも貢献しています。2016年には、豊見城道路が全線4車線化されたことに伴い、瀬長交差点の改良が行われ、那覇方面から糸満方面へは沖縄西海岸道路豊見城道路へ直進できるようになりました。これにより、交通の流れがスムーズになり、利便性が向上しました。

一方、旧道はバイパス開通後も長らく国道として維持されていましたが、2006年に沖縄県道231号那覇空港線に降格されました。さらに、2017年に沖縄西海岸道路糸満道路が全線4車線化されたことで、豊見城市瀬長 - 糸満市真栄里の区間は豊見城道路・糸満道路が国道331号の本線となり、旧道区間は沖縄県道256号豊見城糸満線として県道に降格されました。しかし、瀬長交差点 - 名嘉地交差点の区間は、現在も国道331号として維持されており、事実上、那覇空港自動車道豊見城・名嘉地インターチェンジへのアクセス道路としての役割を担っています。

路線データ

区間: 那覇市赤嶺 - 豊見城市名嘉地
実延長: 3.64km
道路規格: 第4種1級
設計速度: 60km/h（制限速度は50km/h）
車線数: 4車線

通過する自治体

沖縄県
那覇市
豊見城市

交差する道路

国道331号本線（那覇市赤嶺・豊見城市瀬長）
沖縄西海岸道路豊見城道路（豊見城市瀬長）
沖縄県道221号那覇内環状線（那覇市赤嶺）
沖縄県道231号那覇空港線（那覇市赤嶺・豊見城市名嘉地）
那覇空港自動車道（国道506号）
豊見城道路豊見城・名嘉地インターチェンジ（豊見城市名嘉地）
小禄道路瀬長インターチェンジ（豊見城瀬長・予定）
沖縄県道256号豊見城糸満線（豊見城市名嘉地）

周辺施設

イオン那覇ショッピングセンター

外部リンク

沖縄総合事務局南部国道事務所

小禄バイパスは、地域の交通を円滑にするだけでなく、経済活動や住民生活を支える重要な役割を果たしています。今後の周辺道路網の整備とともに、ますますその重要性が高まることが期待されます。

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