小笠原信辰

小笠原信辰（おがさわら のぶとき）

越前勝山藩の第2代藩主であり、信嶺系小笠原家の4代目にあたります。貞享3年（1686年）に、越前勝山藩主・小笠原貞信の次男である小笠原信秀の長男として江戸で生まれました。元禄15年（1702年）に祖父の貞信が隠居したことに伴い、その養子となって家督を継ぎました。

しかし、藩主となった当初から、実権は祖父の貞信が握り続けており、さらに家督を巡る内紛が発生するなど、藩政は混乱しました。その上、元禄16年（1703年）から正徳5年（1715年）にかけて、大坂加番を何度も務めたほか、江戸屋敷の焼失、公家接待の饗応役、勝山城の築城など、様々な出費が重なり、藩の財政は非常に厳しくなりました。

享保4年（1719年）には病に倒れ、藩政を執ることが困難となったため、享保6年（1721年）に養子の信成に家督を譲って隠居し、河内入道と号しました。その後は、白山温泉で療養生活を送っていたとされています。享保21年（1736年）に勝山で亡くなり、享年51歳でした。

系譜

実父：小笠原信秀
養父：小笠原貞信
正室：水野忠直の娘
子女：
長男：小笠原信房
娘：小笠原信成正室
* 養子：小笠原信成（酒井忠隆の四男）

小笠原信辰は、藩主として苦難の道を歩みましたが、その後の藩政に大きな影響を与えた人物として、歴史に名を残しています。

もう一度検索