小笠原信房

小笠原信房：越前勝山藩の第五代藩主

小笠原信房（おがさわら のぶふさ）は、越前勝山藩の第五代藩主であり、信嶺系小笠原家の七代目にあたります。彼は、二代藩主・小笠原信辰の長男として生まれました。

若年での家督相続と藤堂良端の補佐

信房が生まれた時、実父である信辰は既に隠居しており、そのため彼は第四代藩主・小笠原信胤の養子となりました。延享二年（1745年）に信胤が亡くなると、信房は家督を継承しましたが、当時わずか十三歳という若さに加え、病弱でもあったため、しばらくの間は藤堂良端の補佐を受けることとなりました。

親政と藩政改革

親政を開始した信房は、藩の財政再建を目指し、年貢増徴政策を採用しました。しかし、この政策は領民の不満を買い、明和八年（1771年）には百姓一揆が発生する事態となりました。結果として、信房は年貢減免の要求を受け入れざるを得なくなりました。また、安永六年（1777年）には藩札を発行し、財政の安定化を図っています。

隠居と晩年

安永四年（1775年）頃から病気がちとなり、安永九年（1780年）に信房は家督を子の長教に譲り、隠居しました。隠居後は白山温泉で療養生活を送り、寛政六年（1794年）に六十二歳でその生涯を閉じました。

系譜

実父: 小笠原信辰
養父: 小笠原信胤
正室: 伊達村候の養女（堀川広益の娘）

子女:
小笠原長教（長男）
小笠原信賢（三男）
花房信順（四男）
福島正聖室のち知久頼福室
小笠原直信室
有馬広春室 ー 小笠原信興の養女

小笠原信房は、若くして藩主となり、藩政改革に尽力しましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。百姓一揆や自身の病など、多くの困難に直面しながらも、藩の運営に尽力した人物として、歴史に名を残しています。

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