小笠原暁

小笠原暁の生涯と業績

小笠原暁（おがさわら さとる）は、1931年9月26日に生まれ、2020年9月28日に没した、日本の経済学者、地方公務員、そして実業家です。彼は、その多岐にわたるキャリアを通じて、学術界、行政、そしてビジネスの世界で顕著な足跡を残しました。

学歴と初期のキャリア

小笠原暁は、1953年に名古屋大学理学部数学科を卒業し、1955年には同大学経済学部経済学科を卒業しました。その後、1958年に名古屋大学大学院経済学研究科を中退。1960年には神戸商科大学（現在の兵庫県立大学）の講師に就任し、1962年には助教授に昇格しました。1963年には経営管理学科を創設するなど、教育者としてもその手腕を発揮しました。1968年には同大学の教授に就任し、研究活動にも精力的に取り組みました。

行政への転身

1970年代初頭、日本の学生運動が激化する中で、小笠原暁は大学での活動に区切りをつけ、1972年に兵庫県庁に入庁し、企画部長に就任しました。兵庫県の総合計画策定に尽力し、その後、1975年には兵庫県教育長、1978年には兵庫県副知事という要職を歴任。行政官としての手腕を高く評価されました。

実業家としての挑戦

1984年、小笠原暁は芦屋大学の教授に就任し、教育の世界に復帰しました。その傍ら、実弟の久野暲ハーバード大学教授とともに、1990年にロゴヴィスタ株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。IT技術を活用した事業を展開し、実業家としても成功を収めました。また、1982年には短期間ながらサンテレビジョン社長を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

芦屋大学学長として

1995年からは芦屋大学の学長を務め、阪神・淡路大震災からの大学の復興に尽力しました。教育者として、また大学運営者としての手腕を発揮し、大学の発展に大きく貢献しました。1998年には芦屋大学名誉教授となり、その功績が称えられました。

その他の活動

小笠原暁は、2002年には日本オペレーションズ・リサーチ学会会長に就任し、学会の発展にも貢献しました。また、2008年には春の叙勲で瑞宝中綬章を受章し、長年の功績が認められました。さらに、西宮市地域情報化研究会会長を務めるなど、地域社会の発展にも尽力しました。

ロゴヴィスタ株式会社

小笠原暁が設立したロゴヴィスタ株式会社は、電子辞書や翻訳ソフトの開発・販売で知られています。同社は、最新のIT技術を駆使した製品を提供し、教育現場やビジネスシーンでの情報活用を支援しています。

まとめ

小笠原暁は、学者、行政官、実業家として、その生涯を通じて社会に貢献しました。彼の多岐にわたる活動は、現代社会における多様な可能性を示唆しています。特に、教育分野とIT分野での貢献は、後世に大きな影響を与えています。

もう一度検索