小笠原村営バス

小笠原村営バスの概要

小笠原村営バス（おがさわらそんえいバス）は、東京都小笠原村が運行するコミュニティバスです。2000年12月27日より運行を開始し、父島内を中心に村民や観光客の移動をサポートしています。このバスは小笠原村にとって唯一の公共交通機関であり、地域福祉の向上や来島者の利便性を高めることを目的としています。

運行の目的とサービス

バスは、村民および訪れた観光客が快適に移動できる手段を提供し、小笠原村内の各場所へのアクセスを容易にしています。父島ではタクシーがサービスされていますが、母島ではバスやタクシーが運行していないため、小笠原村営バスの役割は特に重要です。

バスは「扇浦線」と「大村 - 奥村循環線」の2つの路線があり、それぞれ異なる地区を結んでいます。扇浦線は西町、東町、清瀬、奥村などの集落地区を巡る往復路線で、循環線は集落地区を巡回します。この循環線は「ブルーライン」と「オレンジライン」に分かれ、それぞれ異なるルートを通ります。

運行スケジュールと運賃

運行本数は平日と休日で異なり、平日には扇浦線がほぼ1時間ごとに運行しています。循環線のブルーラインとオレンジラインもそれぞれ運行されています。休日は運行本数が少なく、8時から18時の間に運行されます。また、観光シーズンなどには臨時便が増便されることもあります。

運賃は全区間均一で、大人200円、小児100円です。村民にはさまざまな割引が適用され、特定の手帳を持つ人々は無料または半額で乗車できる仕組みがあります。特に、身体障害者手帳を提示することにより、運賃が減免されます。さらに、専用の一日乗車券も販売されており、全区間利用可能となっています。

車両とデザイン

小笠原村営バスの車両は、村が所有する自家用バス（白ナンバー）を使用しており、デザインは特徴的です。ブルーを基調としたカラフルなカラーリングには、クジラやイルカといった小笠原の名物が描かれており、島の自然をイメージしています。

運行開始時には日野・リエッセが導入されており、その後も新しい車両の導入がされています。現行の車両としては、日野・ポンチョとトヨタ・ハイエースが活用されています。特にポンチョは、2021年に新車が導入され、地域の公共交通機関を象徴する存在となっています。

利用状況と地域への貢献

2007年には年間輸送人員が約27,689名に達しており、村民や観光客の移動手段として重要な役割を果たしています。とはいえ、運行経費はかなりの額に達しており、収益はこれを下回るため、赤字分は小笠原村が負担しています。地域の移動手段の確保は、住民生活や観光業にとって不可欠であり、村営バスはその中心的な役割を担っています。

小笠原村営バスは、地域の社会資本としての役割を果たし、今後もさらなる利用促進と充実したサービス提供が期待されます。

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