小笠原清宗

小笠原清宗（おがさわら きよむね）

小笠原清宗は、戦国時代の武将で、信濃小笠原氏（府中小笠原家）の当主です。小笠原持長の子として生まれました。父の代から続く宗家の家督を巡り、小笠原光康の子である家長や、宗康の遺児である政秀と対立しました。これにより、小笠原氏は清宗の府中小笠原家、家長の松尾小笠原家、政秀の鈴岡小笠原家に分裂し、互いに争いを繰り返して衰退していきました。小笠原氏の統一は、清宗の曾孫である長棟が、光康の曾孫である貞忠を降伏させる天文3年（1534年）まで待たなければなりませんでした。

生涯

清宗は信濃井川館で生まれました。永享元年（1429年）11月に元服し、右馬助、大膳大夫、信濃守に任じられました。しかし、家督争いの影響で、鈴岡小笠原家の政秀や諏訪氏との間で度々争いごとが起こり、府中を攻め込まれることもありました。そのため、長禄3年（1459年）頃に新たに林城を築き、居館を移しました。

応仁元年（1467年）に勃発した応仁の乱では、西軍を支持しました。文明6年（1474年）7月には上洛し、9代将軍足利義尚に拝謁しています。文明10年（1478年）に62歳で亡くなりました。

小笠原氏の分裂と衰退

清宗の時代に始まった小笠原氏の分裂は、その後の小笠原氏の勢力に大きな影響を与えました。清宗の府中小笠原家、家長の松尾小笠原家、政秀の鈴岡小笠原家は、互いに争いを繰り返し、その勢力を削ぎ合いました。この内紛により、小笠原氏は戦国時代を通して、有力な戦国大名として台頭することができませんでした。小笠原氏の統一が成し遂げられるまでには、長い年月を要することになりました。

まとめ

小笠原清宗は、戦国時代の激動期に生きた武将であり、小笠原氏の分裂と衰退の要因の一つとなりました。しかし、その一方で、林城を築くなど、一族の存続のために尽力した一面もあります。彼の生涯は、戦国時代の武将の苦悩と、一族の盛衰を物語るものとして、歴史に刻まれています。

参考文献

『笠系大成』
『寛政重修諸家譜 巻第188』
* 今井尭「小笠原系図」『日本史総覧』 3（中世 2）、新人物往来社、1984年。

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