林城

林城（はやしじょう）

林城は、長野県松本市に位置する、かつての信濃国守護・小笠原氏の居城であり、山城として知られています。この城跡は「小笠原氏城跡」として、隣接する井川館（井川城）とともに国の史跡に指定されており、歴史的価値の高い場所です。

歴史

小笠原氏は当初、井川館を拠点としていましたが、1459年（長禄3年）に府中小笠原家の小笠原清宗によって林城が築城されたとされています。その後、清宗の曾孫である小笠原長棟が同族の松尾小笠原氏を屈服させ、小笠原氏を統一した後、拠点を林城に移しました。しかし、1550年（天文19年）7月15日、小笠原長棟の子である小笠原長時が武田信玄の攻撃を受け、林城は一夜にして落城しました（林城の戦い）。

構造・遺構

林城は、林大城（金華山城）と林小城（福山城）の二つの主要部分から構成されています。麓の大嵩崎集落には、かつて城下町が形成されていました。

林大城

林大城には、現在でも曲輪、土塁、石垣などの遺構が残っています。周辺には東城山遊歩道が整備されており、歴史を身近に感じながら散策を楽しめます。林大城は1970年（昭和45年）に長野県指定史跡となりましたが、2017年（平成29年）には井川城と共に国の史跡に指定されました。これにより、その歴史的価値が改めて認められました。

林小城

林小城は、大嵩崎集落を挟んで南西側に位置しています。かつては、林小城は「古城」と考えられ、林大城よりも古く築城されたとされていましたが、その複雑な縄張りから、実際には林大城よりも後に築城されたと考えられています。林小城にも、土塁や石垣といった遺構が残っており、往時の様子を偲ぶことができます。林小城もまた、県指定史跡でしたが、2018年（平成30年）の文化審議会の答申により、国の史跡に追加指定される見込みとなりました。

まとめ

林城は、小笠原氏の歴史を物語る重要な城跡であり、その構造や遺構は、戦国時代の山城の特徴をよく伝えています。現在では、遊歩道も整備され、歴史ファンだけでなく、多くの人々が訪れる場所となっています。この城跡を訪れることで、当時の武将たちの息吹を感じ、歴史の深さに触れることができるでしょう。

脚注

信濃史学会編 『信州の山城 信濃史学会研究叢書2』 1988年

関連項目

井川館
日本の城一覧
中部地方の[[史跡一覧]]
松本市の名所・旧跡
松本市の歴史

外部リンク

林城/近江の城郭 信濃編
城館探訪～長野県～の林城のページ - ウェイバックマシン
林城（大城）跡周辺地図／Yahoo!地図情報
林城（小城）跡周辺地図／Yahoo!地図情報

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