小笠原長教

小笠原長教（おがさわらながみち）

小笠原長教は、江戸時代中期に越前勝山藩を治めた第6代藩主です。信嶺系小笠原家の8代目にあたります。

生涯

宝暦10年（1760年）4月12日、第5代藩主・小笠原信房の長男として生まれました。明和6年（1769年）に世子となり、安永5年（1776年）12月に元服して信愛（のぶよし）と名乗ります。

安永9年（1780年）11月16日、父・信房が病を理由に隠居したため、家督を継ぎました。

藩主として、長教は藩政の立て直しに尽力します。まず、藩内取締法12か条を制定し、綱紀の粛正を図りました。また、藩財政再建のために倹約を奨励し、緊縮財政政策を採用しました。

安永10年（1781年）3月には、勝山城下で大火が発生。この火災を契機に、火消組を編成しています。

しかし、長教の治世は多難を極めます。天明3年（1783年）には天明の大飢饉が発生し、勝山藩でも多数の餓死者が出ました。餓死者の遺体を埋葬するための穴が不足するほどであったという逸話が残っています。

天明6年（1786年）4月には打ちこわしが起こり、寛政2年（1790年）1月には江戸下屋敷が火災で全焼、寛政3年（1791年）には暴風雨による被害、寛政9年（1797年）には郷盛騒動が発生するなど、藩政は困難の連続でした。

寛政11年（1799年）3月10日、長教は江戸で死去しました。享年40歳。跡は長男の長貴が継ぎました。

系譜

父：小笠原信房
正室：充 - 中川久貞の娘
子女
長男：小笠原長貴（母は正室の充）

小笠原長教は、藩政改革に努めましたが、天災や騒動が相次ぎ、困難な時代を過ごした藩主でした。

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