小菅芳次

小菅芳次（こすげ よしじ）は、1898年（明治31年）4月28日に生まれ、1961年（昭和36年）9月16日に没した、日本の内務・警察官僚です。愛知県出身で、小菅佐吉の四男として生を受けました。彼のキャリアは、地方行政から台湾統治まで、多岐にわたるものでした。

学歴と初期のキャリア

小菅芳次は、第六高等学校を卒業後、1922年11月に高等試験行政科試験に合格しました。翌1923年には、東京帝国大学法学部政治学科を卒業し、内務省に入省。埼玉県属としてキャリアをスタートさせました。

警察官僚としての活躍

内務省入省後、小菅は警察官僚としての道を歩みます。警視庁事務官、同警視を経て、内務事務官に就任。その後、警視総監官房調停課長、工場監督官など、重要な役職を歴任しました。さらに、広島県、長崎県、京都府で書記官・警察部長を歴任し、地方の治安維持に貢献しました。また、東京府総務部長も務め、首都行政にも携わりました。

香川県知事と台湾総督府交通局総長

1942年1月、小菅は香川県知事に就任。戦時下という困難な状況下で、地方行政を担いました。その後、1945年1月には、最後の台湾総督府交通局総長に転任し、終戦を迎えました。この役職は、台湾における交通行政の最高責任者であり、その重要性は非常に高いものでした。

戦後と晩年

終戦後、小菅は公職追放となりましたが、1957年3月には全国市議会議長会事務局長に就任し、再び公の場で活躍しました。彼の人生は、激動の時代を生き抜いた官僚の典型であり、その功績は今日まで語り継がれています。

まとめ

小菅芳次は、内務・警察官僚として、地方行政、警察行政、台湾統治に携わった人物です。彼のキャリアは、戦前・戦中の日本の行政を理解する上で、重要な手がかりとなります。特に、香川県知事や台湾総督府交通局総長としての活動は、彼の行政手腕を示す好例と言えるでしょう。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 人事興信所編『人事興信録』第14版 上、1943年。

もう一度検索