小見川町

小見川町の概要

小見川町（おみがわまち）は、かつて千葉県香取郡に存在した町です。地理的には関東平野に位置し、町の中心部は低地で、西部と東部には丘陵地帯が広がっていました。利根川と黒部川が町を流れ、豊かな自然環境を形成していました。

歴史

小見川町の歴史は古く、古代には大部分が海でしたが、陸地部には縄文時代から人々が生活していました。その証拠として、白井、阿玉台、木内、内野、良文などの地域には多くの貝塚が残されています。4〜6世紀には、他の地域と同様に古墳も作られ、三ノ分目大塚山古墳や城山古墳群などが代表例です。

鎌倉時代に入ると、千葉氏の一族である粟飯原朝秀が小見川城を築き、地域を支配しました。しかし、戦国時代には正木時茂によって小見川城が攻略され、粟飯原氏は衰退しました。また、香取神宮も太閤検地によって多くの社領を失いました。

江戸時代には、松平家忠が小見川に封ぜられ、小見川藩が成立しました。その後、内田氏が支配し、幕末まで統治が続きました。この時代には、利根川東遷事業によって、東北地方の米や銚子の醤油などが江戸に運ばれるようになり、小見川もその恩恵を受けました。

明治時代になると、廃藩置県により小見川県が設置されましたが、その後千葉県に編入されました。1889年の町村制施行に伴い、小見川町、豊浦村、森山村、神里村、良文村が成立し、昭和の大合併を経て、1町4村が合併し新たな小見川町が誕生しました。

沿革

1889年（明治22年）4月1日：小見川村など9つの村が合併し、小見川町が発足。
1931年（昭和6年）11月10日：小見川駅が開業。
1951年（昭和26年）4月1日：小見川町、豊浦村、神里村、森山村が合併し、新たな小見川町が発足。
1955年（昭和30年）2月11日：小見川町と良文村が合併。
1965年（昭和40年）：国道356号が制定。
1973年（昭和48年）8月1日：小見川大橋が開通。
2006年（平成18年）3月27日：佐原市、山田町、栗源町と合併し、香取市が発足。小見川町は廃止。

教育

小見川町には、以下の小学校と中学校、高等学校がありました。

小学校：東小学校、中央小学校、西小学校、南小学校、北小学校、北小学校利北分校
中学校：小見川中学校
高等学校：千葉県立小見川高等学校

交通

鉄道：JR成田線（水郷駅、小見川駅）
バス：千葉交通（高速バス「利根ライナー」を含む）
道路：国道356号、千葉県道28号、44号、55号、259号、265号

特産品

小見川町は、以下の特産品で知られていました。

イリダイ醤油（ちば醤油株式会社）：全国醤油品評会で4回の農林水産大臣賞を受賞。
カサブランカ：高級ユリの栽培日本一で、年間約70万本を出荷。
利根川の天然ウナギ：名産として知られ、ウナギの佃煮や、すずめ焼きも名物。

その他

小見川町は「水の郷百選」に選ばれており、「川風と歓声がとけあうまち」として親しまれていました。

参考文献

小見川の歴史（小見川町教育振興協議会教材資料作成委員会編 1970年）
小見川町史 通史編（小見川町史編さん委員会編 1991年）
* おみがわ歴史の歩み（平野功 小見川町文化協会郷土研究部 2004年）

もう一度検索