小諸市立藤村記念館

小諸市立藤村記念館

小諸市立藤村記念館は、長野県小諸市の歴史ある懐古園の中に位置する文学館です。日本を代表する詩人であり作家でもある島崎藤村（しまざき とうそん）の生涯と功績を後世に伝えることを目的に設立されました。この記念館は、著名な建築家である谷口吉郎氏によって設計され、全国文学館協議会にも加盟しています。

沿革

記念館の始まりは、藤村にゆかりの深い小諸義塾や女子学習会の関係者で組織された「藤村会」の熱意によるものです。昭和33年（1958年）4月、藤村会によって建設・開館されました。そして、その翌年の昭和34年（1959年）6月には、小諸市へと移管され、現在に至ります。

展示内容

当記念館の展示は、島崎藤村が小諸義塾の教師として赴任し、明治32年（1899年）から明治38年（1905年）までの約6年間をこの地で過ごした間に生み出された作品群に特に焦点を当てています。この小諸時代の藤村は、『破戒』の構想を練り、『千曲川のスケッチ』を執筆するなど、作家としての重要な時期を過ごしました。館内には、藤村会が長年にわたり収集・管理してきた貴重な資料や、自筆の書（遺墨）、そして愛用した品々（遺品）などが展示されており、藤村の文学世界と人となりを深く知ることができます。

館内外の見どころ

記念館の前庭には、彫刻家・内堀功氏の手による島崎藤村の像が建てられており、訪れる人々を迎えます。また、藤村の代表的な詩の一つである「椰子の実」の詩碑も建立されており、詩情あふれる雰囲気を醸し出しています。館内には、彫刻家・川村吾蔵氏が制作した藤村のブロンズ像も安置されており、芸術的な視点からも藤村に触れることができます。

ご利用案内

開館時間

午前8時30分から午後5時00分まで

休館日

3月中旬から11月末までは無休です。
12月から3月中旬までの期間は毎週水曜日が休館となります。
年末年始（12月29日から1月3日まで）も休館です。

所在地

〒384-0032 長野県小諸市丁311（懐古園内）

入館料

500円（この料金には、懐古園の入園料および懐古園内にある他の施設の入館料も含まれています。）

交通アクセス

しなの鉄道線または小海線「小諸駅」から懐古園まで徒歩約5分です。

周辺情報

懐古園およびその周辺には、小諸市立藤村記念館の他にも見どころが数多くあります。

小山敬三美術館
小諸市立郷土博物館
徴古館
懐古神社
小諸市動物園
小諸義塾記念館
鹿嶋神社

これらの施設と合わせて訪れることで、小諸の歴史や文化、自然をより深く体験することができます。

（参考文献として、『信州の博物館』（朝日新聞長野支局、1983年）や『長野県の博物館』（長野県教育委員会、1989年）などが挙げられます。）

詳細については、小諸市ホームページでの案内などもご参照ください。

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