小野駅 (長野県)

小野駅：歴史と自然に彩られた辰野町の駅

長野県上伊那郡辰野町に位置する小野駅は、JR東日本中央本線（辰野支線）の駅です。1906年（明治39年）6月11日、中央本線岡谷～塩尻間の開通と同時に開業。当初は旅客と貨物の両方を扱い、地域の経済活動を支える重要な役割を担っていました。

その後、1982年（昭和57年）に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となりました。2005年（平成17年）には駅構内のトイレを辰野町に無償譲渡。2006年（平成18年）には開業100周年を記念した式典が開催され、臨時列車「くりちゃん号」が運行されるなど、地域にとって特別な存在感を示しています。2014年（平成26年）には東京近郊区間に編入され、利便性が向上しました。近年では2018年（平成30年）に塩尻駅が管理駅となり、駅業務の委託体制が変更されています。

駅舎と周辺環境

小野駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線の地上駅です。かつて存在した3番線は、現在は一部が撤去され保線車両の留置線として活用されています。駅舎は、天竜川水系の小野川の右岸に位置しています。駅舎と国道153号沿いの道の駅を一体化し、2階建ての複合施設とする計画も発表されていますが、現時点では実現に至っていません。冬季には駅舎内の待合室にストーブが設置され、利用者の暖房対策が考慮されています。ただし、窓口の営業時間は日中のみで、営業時間外は待合室も閉鎖されます。塩尻駅管理の簡易委託駅として運営されています。

小野駅周辺は、かつて宿場町として栄えた小野宿の面影を色濃く残しています。三州街道の宿場町として知られ、江戸時代初期までは中山道も小野宿を経由していました。そのため、2街道が交わる交通の要衝として重要な役割を果たしていました。しかし、峠道が険しかったことから、中山道のルートは変更され、小野宿は経由地から外れることになりました。江戸時代には、小野宿は松本藩と飯田藩の境界に位置し、その名残は現在も塩尻市と辰野町の境界線に見て取ることができます。駅の東側には川が流れ、奥には山が広がる自然豊かな環境に恵まれた場所です。塩尻市北小野地区も近く、「両小野」と呼ばれる地域一体として発展しています。

利用状況とアクセス

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は約105人です。2000年度以降、利用状況は変動を続けていますが、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として機能しています。

隣の駅は信濃川島駅と塩尻駅です。 駅へのアクセスは、バスやタクシーの利用が便利です。周辺には、歴史的建造物や自然豊かな散策路など、見どころも豊富です。

小野駅は、歴史と自然、そして人々の生活が織りなす魅力的な場所です。辰野町を訪れた際には、ぜひ訪れてみてください。

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