小鷹 (水雷艇)

小鷹（こたか）の概要と艦歴

小鷹（こたか）は、日本海軍に属する水雷艇であり、その名前は小型の鷹を意味します。この艦は、イギリスのヤーロー社によって設計・建造されました。従来の水雷艇は排水量が約50トン前後でしたが、小鷹は約200トンというサイズとすることで、自力で襲撃地点まで進出できる航洋性を持ちました。このため、小鷹は水雷艇の一種ではありますが、実質的には試作艇にも近い存在でした。要するに、その設計は水雷艇の特性を見直す試みの一環だったということが言えます。

進水と初期の活動

1886年9月7日、小鷹の建造が横須賀造船所で始まり、1887年1月21日に進水、同年3月29日に艦名が小鷹と命名されました。艦の建造が進む中、1888年には横須賀鎮守府水雷術練習艦から長浦水雷営附属へと所属が変更されました。この艦は、日清戦争の際には1895年に第一艇隊を率いて威海衛港内に侵入し、著名な戦果を上げました。

日露戦争時には、老齢のため内地警備に従事することになりましたが、その時期までに数々の重要な任務を果たすことができました。

艦型と特長

小鷹は、艦首に目立つ衝角を持った設計が特長であり、連続して水中で魚雷を発射するための堅牢な構造を有しています。この衝角は、水線長を延長することで船体の抵抗を減少させる役目も果たしました。さらに、機関部の舷側には厚さ1インチ（約25.4mm）の軽装甲が施されています。この装甲もう少し広義には、対水雷艇に使用される小砲に対抗するために設けられたと言われており、これにより「Protected Torpedo Boat」としても知られています。

機関と運用性能

機関は、蒸気圧130ポンド/平方インチ（約9.15kg/cm²）で動作する汽車缶を2基搭載し、直立2段2気筒エンジンを2基装備。推進器は鋼製のグリフィス形で2軸推進の構造を取っています。また、朱式魚雷用のカセロフスキー式空気圧縮ポンプも装備されています。これらの性能により、小鷹は高い運動能力を誇っていました。

除籍後の運命

小鷹は、1908年に除籍された後、海軍機関学校の練習船へと転用されました。1916年3月には、その所轄を解かれ、艦としての運用は終了しました。その後は、廃船処分が決定され、旧小鷹の船体は水雷標的船に改造されることになりました。

さらに改造を経て、「小鷹丸」と名付けられたこの艦は、訓練用に運用され続けましたが、老朽化が進行し、1927年には完全に廃船となってしまいました。

まとめ

小鷹は、日本海軍における水雷艇の発展の過程を象徴する艦船であり、その長い艦歴を通じて様々な役割を担ってきました。特に日清戦争やその後の任務での活躍は、海軍における水雷艇の重要性を再認識させるものでした。

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