少帝 (南朝宋)

少帝 劉義符：南朝宋、短命に終わった皇帝の生涯

少帝（しょうてい）劉義符（りゅう ぎふ）は、南朝宋の第2代皇帝であり、その治世はわずか2年という短期間で幕を閉じました。彼の生涯は、即位から廃位、そして暗殺という悲劇的な結末を迎えます。

生い立ちと即位

劉義符は、義熙2年（406年）に劉裕（後の武帝）と張夫人の長男として京口で誕生しました。幼少の頃から、豫章公世子、宋公世子、宋王太子と順調に地位を上げていきます。永初元年（420年）に父である劉裕が武帝として即位すると、義符は皇太子に立てられました。

永初3年（422年）に武帝が崩御すると、劉義符が皇帝として即位します。しかし、彼はまだ若く、政治経験も浅かったため、中書監の傅亮、司空の徐羨之、領軍将軍の謝晦らが補佐することになりました。武帝の死に乗じて北魏が侵攻してきますが、景平元年（423年）には檀道済が北伐し、虎牢で魏軍を打ち破るという軍事的成功もありました。

廃位と暗殺

しかし、少帝は武帝の喪中にも関わらず、礼儀をわきまえず、側近たちと遊興に耽る日々を送りました。その態度は朝廷の官僚たちの失望を買い、次第に少帝の政治基盤は揺らいでいきます。

景平2年（424年）5月、ついに徐羨之らは皇太后の命令と称して少帝を退位させました。そして、少帝の弟である劉義隆（後の文帝）を新たな皇帝として擁立します。

退位後、少帝は営陽王に封じられ、東宮に身柄を移された後、呉郡へと移され、金閶亭に幽閉されることとなりました。そして、そのわずか1ヶ月後の6月、徐羨之の命を受けた中書舎人の邢安泰によって殺害されました。

評価

少帝劉義符は、その短い治世において、政治的な手腕を発揮することはできませんでした。父である武帝の威光を受け継ぐことはできず、自らの素行の悪さによって、その地位を失うこととなりました。彼の生涯は、南朝宋の初期における皇位継承の不安定さを示す一例と言えるでしょう。

少帝の暗殺後、文帝の治世下で南朝宋は安定期を迎えますが、少帝の存在は、その後の歴史に暗い影を落とすこととなりました。

参考文献

『宋書』巻4 本紀第4 少帝
『南史』巻1 宋本紀上第1 少帝

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