尾崎神社 (釜石市)

尾崎神社について

尾崎神社（おさきじんじゃ）は、岩手県釜石市に存在する歴史深い神社です。この神社は、本宮、奥宮、奥の院、さらに里宮という4つの社殿から成り立っています。それぞれの社殿は、独自の役割と意義を持ち、地域の人々に親しまれています。

歴史の背景

尾崎神社の起源は、古代に遡ります。日本武尊が東征の際にその足跡を残した地として、尾崎半島が選ばれたとされ、その証として半島中央に建てられた剣を地元の人々が敬い、神として祀るようになりました。日本武尊が祭神として崇拝され、地域の信仰の中心となるきっかけとなったのです。

さらに、源為朝の三男である閉伊頼基が、尾崎神社への崇敬の念を抱き、1220年に亡くなる日には、自らが守護神となることを遺言しました。彼の亡骸は、尾崎神社の宝剣の近くに葬られることとなり、以来、彼も祭神として合祀されることになりました。これにより、尾崎神社は日本武尊と閉伊頼基を共に祭る神社としての地位を確立しました。

神社の社殿は、奥の院が宝剣の位置に、青出し浜の社が奥宮として、尾崎白浜の社が本宮、そして釜石の社が里宮と定められています。1719年には宗源宣旨を基にして大明神号が授与され、さらに1799年には朝廷より正一位の位記を賜り、「正一位尾崎大明神」として地域に知られる存在となりました。

1937年、釜石市の市制施行日には、その記念として市制施行奉告祭が執り行われ、地域の重要な行事となっています。

例祭と祭り

尾崎神社では、1967年から釜石製鐡所山神社との共催で「釜石まつり」が行われています。この祭りは10月の第3日曜日に合わせて金曜日から日曜日にかけて開催され、特に中日には「曳き船まつり」が行われます。この伝統行事では、本宮から船で里宮へ神体が移され、その際に大漁旗を掲げた船が港内をパレードします。虎舞や神楽といった地域の伝統芸能も披露され、地元の人々や観光客にとって魅力的なイベントとなっています。

最終日には市内の主要な通りを神輿や山車が練り歩き、賑やかな雰囲気を業界することでも知られています。

文化財の紹介

ジャンルにおいても、尾崎神社は重要な文化財を誇ります。釜石市により有形文化財として指定されているものとして、正一位尾崎大明神の扁額（1998年7月30日）、鋳鉄製の宝剣（2012年11月28日）、鋳鉄製の扁額（2014年1月17日）があります。これらの文化財は、神社の歴史と伝統を物語る貴重な遺産です。

交通アクセス

尾崎神社へのアクセス方法は便利で、釜石市内からのバス利用が一般的です。本宮には、JR釜石線および三陸鉄道リアス線の釜石駅から岩手県交通バスが運行されており、「上平田ニュータウン行」に乗り換え「上平田」で下車、その後はにこにこバス「佐須行」に乗り換えて「尾崎白浜」で降りることができます。車を利用する場合は、三陸縦貫自動車道の釜石中央ICから約30分で到着します。

一方、里宮へのアクセスは、釜石駅から「新浜町行」または「東前行」のバスがあり、「浜町」で下車後、徒歩約20分で到着します。車の場合は、釜石中央ICからおおよそ15分です。

尾崎神社は、地域の文化や信仰の象徴として大切に受け継がれており、多くの人々に愛されている場所です。

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