尾崎行信

尾崎 行信のプロフィール

尾崎行信（おざき ゆきのぶ）は、1929年4月19日に三重県に生まれ、2014年3月9日に東京都で亡くなった日本の優れた裁判官および弁護士です。彼は最高裁判所での裁判官を勤めた一方で、様々な法曹団体の役割を果たし、法律界においてその名を広めました。彼の位階は正三位であり、日本の法律制度に多大な影響を与えた人物の一人です。

彼の家系は政治家尾崎行雄に遡ります。尾崎行雄は「憲政の神様」と称され、明治から戦後にかけて衆院議員を務めました。祖父の影響を受けた行信は、特に尾崎不敬事件での大審院による逆転無罪判決に深い感銘を受け、法院でのキャリアを目指すようになりました。彼は、この事件を通じて戦争中の不正義に対抗する精神を培ったと考えられています。

学歴とキャリア

行信は旧制成蹊高等学校を経て、1953年には東京大学法学部を卒業しました。1955年には第一東京弁護士会に弁護士登録し、その後も多くの重要な役職を歴任します。1975年には副会長、1989年には会長として、弁護士界のリーダーシップを発揮しました。

1994年2月に最高裁判所判事に就任し、1999年には退官します。その後も弁護士として活動し、企業の監査役、大学の理事など、多岐にわたる役職を務めました。また、2001年に勲一等瑞宝章を受章し、その功績が認められました。

判決に関する業績

尾崎行信は、数々の重要な判決に関与しました。特に、ロッキード事件に関する「丸紅ルート」の大法廷判決や、愛媛県靖国神社玉串料訴訟における公費支出違憲判決など、彼の判断は日本の法制度に重要な影響を及ぼしました。これらの判断は、日本の法律における平等と公正を強調するもので、多くの人々に評価されています。

また、裁判長として「がん告知義務訴訟」などのケースにも深く関わり、医療の現場における法的義務についても重要な見解を示しました。

晩年と死去

尾崎行信は、2014年に誤嚥性肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。享年84歳という長い人生の中で、彼は日本の法律界の発展に貢献し、今なお多くの法曹人たちに影響を与え続けています。彼の業績は、現代の法制度においても重要な指針とされています。彼の名前は、法律界の一線で活動し続ける人々によって語り継がれることでしょう。

もう一度検索