尾道糸崎港

尾道糸崎港について

尾道糸崎港（おのみちいとざきこう）は、広島県尾道市、三原市糸崎町、福山市松永地区に位置する重要な港湾で、広島県が管理を行っています。この港は、尾道、糸崎、松永の各港区で構成されており、港湾法に基づく重要港湾に指定されています。また、特定港としての認定も受けています。

尾道港区

尾道市（本州）と向島を結ぶ尾道水道に開かれたこの地域は、古くから天然の良港として知られてきました。歴史を遡ると、615年の聖徳太子が浄土寺を開いた頃にはすでに港としての機能があったと伝えられています。1741年からは、港に係留施設が築かれ、現在の尾道港の原型が形成されました。1927年には第2種重要港湾に指定され、2000年には再開発が完了しました。

尾道港はかつて瀬戸内海の様々な航路の主な発着港でしたが、近年では架橋や道路の整備の影響を受けて、いくつかの航路が廃止されてしまいました。しかし、尾道港一帯は觀光資源としても重要で、2010年には「みなとオアシス」として登録され、特にONOMICHI U2を中心にしたサイクリング体験の拠点としても知られています。この「尾道みなとまちづくり」においては、平成21年度手づくり郷土賞を受賞しています。

航路と渡し船

尾道港からは、対岸の向島をはじめ百島や因島、佐木島といった周辺の島々へ定期的に航路が運航されています。おのみち渡し船では駅前から向島へ至るルートがあり、また福本渡船など複数の渡船会社が利用されています。さらに、尾道駅前を起点とする瀬戸内クルージングも提供されています。

街へのアクセス

尾道港へのアクセスは便利で、JR尾道駅から徒歩でわずか3分という好立地です。尾道駅では福山や岡山方面向けの列車が運行され、観光列車も多くの利用者を迎え入れています。また、広島空港方面への乗合タクシーやバスも発着しており、観光地へのアクセスが容易です。特に、尾道中央ビジター桟橋は「おのみち海の駅」として登録されており、海上交通の要所として機能しています。

糸崎港区の歴史

糸崎港区は古くから海上交通が発展してきた地域で、1864年に松浜に船だまりが建設されたことからその歴史が始まります。1900年に特別貿易港として開港し、1936年に糸崎町と三原町の合併により、三原市が形成されました。その後、1953年に港は尾道港に統合され、1975年以降は旅客専用港として整備が進められました。

三原市との連携

三原港は、JR三原駅から徒歩10分ほどの距離にあります。三原市の港も近年活性化が進んでおり、カーフェリーや旅客船の運行が行われています。特に、2015年には三原港湾ビルが「みはら海の駅」として認定されており、地域の観光拠点としても重要な役割を果たしています。

松永港区

松永港は江戸時代から続く歴史を持ち、特に明治中期には木材の輸入が盛んでした。1956年には地方港湾に指定され、その後1964年に尾道糸崎港に編入されました。東亜林業という企業がベイマツを製材する施設を持ち、活況を呈していましたが、2018年に製材事業を休止しました。

まとめ

尾道糸崎港は、歴史的な背景を持つ港湾であり、現在も多様な交通路や地域振興の拠点として機能しています。観光名所としての魅力と、交通の要としての役割を併せ持つこの港は、訪れる人々にとって重要なスポットとなっています。

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