居反り

居反り（いぞり）

居反りとは、大相撲における決まり手の一つです。

概要

相手力士が上から覆いかぶさってくる体勢になった際、その懐に潜り込み、両手で相手の両膝裏を掴んで持ち上げ、自らの後方へと反り投げるという、非常に珍しい技です。

この技は、特に珍しい決まり手として知られており、平成以降の幕内力士の取組においては、ほとんど見ることができませんでした。十両の取組では、1993年1月場所の12日目に、智ノ花が花ノ国に対し、両手でまわしを掴んだ状態からこの技を仕掛け、勝利を収めた記録があります。また、幕下以下の取組では、聡ノ富士が過去に16回以上も居反りを決めています。近年では、2023年7月場所6日目に、西幕下20枚目の宮城が西幕下22枚目の徳之武藏をこの決まり手で破りました。

過去には、1937年1月場所7日目に、大関時代の鏡岩が横綱男女ノ川に対し、この居反りを決めて勝利したという記録も残っています。しかし、横綱や大関といった上位力士の取組で反り技が見られることは当時でも極めて稀であり、この一番は非常に珍しい出来事として語り継がれています。

ちなみに、岡村賢二の相撲漫画「ごっつあんです」では、後藤丸というキャラクターがこの居反りを使い、大門寺という力士を破って三賞を受賞するというエピソードが描かれています。

宇良は、アマチュア相撲時代に居反りを決めた際の映像が話題となり、相撲界に入門する以前から「居反りの宇良」として知られていました。しかし、本人はあくまで押し相撲を自身の相撲の信条としており、プロ入り後は長らく居反りを試みることはありませんでした。2016年の九州場所で一度試みたものの、この時は敗れています。その後、2020年11月12日、十両に復帰した11月場所の5日目に対旭秀鵬戦で、ついにプロ入り後初の居反りを決め、白星を挙げました。

居反りは、柔道の技で例えるならば肩車に相当します。また、自身も倒れ込んでしまうような形になった場合は、裏投に近くなります。

日本のレスリング界においては、居反りという言葉は、ダブルリストアームサルトという技を指すことが多いです。また、日本のサンボ界では、相手の袖と襟を持って頭部を相手の腋の下に入れ、そこから同様の動作を行う技も「居反り」と呼ばれています。さらに、サンボには「くぐり居反り」や「肘決め居反り」といったバリエーションの技も存在します。

脚注

日本[[相撲協会]]公式ホームページ

関連項目

* 大相撲の決まり手一覧

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