屈映光

屈映光について

屈映光（くつ えいこう、1879年 - 1973年）は、清末から民国時代にかけて活躍した政治家であり、彼の事績は中国の近代史において重要な位置を占めています。彼は光復会に参加した後、辛亥革命を経て多くの政府機関で要職を歴任しました。彼の人生は中国の政治的変遷と深く結び付いており、様々な派閥や政権の中でその役割を果たしました。

生い立ちと学問

1907年、屈映光は杭州赤城公学を卒業し、光復会の一員として活動を開始します。光復会は清朝打倒を目指して結成された政治団体であり、彼の政治活動の出発点となりました。彼はその後、1911年に辛亥革命に参加、杭州での蜂起に関与しました。これは清朝の崩壊を導く重要なイベントの一つです。

民国初年の1912年8月、彼は浙江都督府民政司司長に就任し、その後も内務司司長や民政長を歴任しました。こうした役職を通じて地方行政における経験を積み、1914年には巡按使に昇進し、政治的根拠地を拡大しました。

安徽派との関わり

屈映光は袁世凱の死後、安徽派に加わります。1918年には北京政府国務院の顧問に任命され、賛威将軍の位を授与されるなど、その地位が確立されました。しかし、1919年の山東省省長任命後、同じく安徽派の権力者である田中玉との権力闘争が始まります。当初は優位に立っていたものの、1920年に安直戦争が起き、安徽派が敗北すると屈映光は下野を余儀なくされます。

政治活動の再開と浙江自治委員会の設立

1921年に大総統府の顧問となり、1924年には褚輔成と共に浙江自治委員会を設立し独立を宣言しました。これは地域の自治を補強し、権力の再分配を試みる試みでした。その後、善後会議の代表に選ばれ、内務総長兼賑務督弁として行政に貢献しますが、1926年に辞任し欧州への視察の旅に出ます。

隠居と晩年

1927年に帰国し、上海で隠居生活を送ります。1929年には仏教に傾倒し、法賢上師と名乗りました。政治から身を引きながらも、1938年には国民政府振済委員会副委員長に就任し、翌年には軍事委員会戦地党政委員会委員として再度政治の舞台に復帰します。しかし、中華人民共和国の成立直前に台湾へ移り、総統府国策顧問として招聘されながらも、最終的には仏道に専念しました。

屈映光は1973年9月19日に亡くなります。享年91歳でした。彼の生涯は中国の政治の激動の時代を映し出しており、歴史の中で重要な役割を果たしました。また、彼の業績は今もなお研究の対象となり、民国期の政治のあり方を理解する上で欠かせない存在です。

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