屈足ダム

屈足ダム：十勝川を潤す多目的ダム

北海道上川郡新得町、十勝川本流上流部に位置する屈足ダムは、発電と灌漑を目的とした多目的ダムです。電源開発株式会社（J-POWER）と国土交通省北海道開発局農業水産部が共同で管理運営を行い、その役割を担っています。

高さ27.5メートルの堂々たる姿は、中央遮水壁型ロックフィルダムという構造が特徴です。十勝川本流においては最も新しいダムとして、地域の水資源管理に重要な役割を担っています。

ダムの機能と規模

屈足ダムは、その貯水容量を巧みに活用し、多様なニーズに応えています。発電目的の貯水容量は69万㎥、灌漑目的は15.4万㎥と、効率的な水資源の配分を実現しています。下流に位置する熊牛発電所、そして2015年に稼働を開始したくったり発電所と連携し、最大1万5,870キロワットもの水力発電を行う大規模な施設です。

デザイン性と受賞歴

屈足ダムは、その機能性だけでなく、優れたデザイン性も高く評価されています。ダムと一体的に設計された熊牛発電所と共に、ダムとしては史上初となる快挙として、1994年度グッドデザイン賞（建築・環境デザイン部門）を受賞しました。これは、自然環境との調和を重視した設計と、景観への配慮が評価された結果と言えるでしょう。

周辺環境とアクセス

ダムによって形成された人造湖は「くったり湖」と名付けられ、周辺にはくったり温泉レイク・インなどの観光施設も存在します。北海道道718号忠別清水線沿いに位置し、アクセスも良好です。また、近隣には北海道電力北新得変電所も立地しています。

歴史と沿革

屈足ダムの建設は1984年に着工され、1995年に竣工を迎えました。熊牛発電所は1987年から営業運転を開始しており、ダム建設と発電所の稼働が地域経済の活性化に貢献してきたことが分かります。さらに、2015年にはくったり発電所が営業運転を開始し、ダムの機能はさらに拡張されました。

まとめ

屈足ダムは、発電と灌漑の両面で地域社会に貢献する重要なインフラです。その優れたデザイン性と環境への配慮は、グッドデザイン賞受賞という形で高く評価されています。十勝川の豊かな自然環境の中で、これからも地域社会の発展に貢献していくことでしょう。ダム周辺の観光資源と合わせて、北海道東部の魅力の一つとして認識されています。将来にわたる持続可能な水資源管理においても、重要な役割を担う施設として、その存在はますます重要性を増していくと考えられます。

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