山の田

山の田（やまのた）

山口県下関市に位置する山の田は、山口県道248号下関港安岡線（かつて国道191号だった区間）上の山の田交差点を中心に広がる地域一帯を指す総称です。具体的には、山の田東町・南町・西町・中央町・本町・北町、幡生町の一部、宮の下町、武久町、大学町、生野町、三河町、宝町などがこの範囲に含まれます。

地域の概要

下関市の行政区分では、古くからの中心市街地を含む本庁地区に位置しており、「北部地区」とも呼ばれます。地元住民の間では、山陽本線と山陰本線の線路を境界として、線路より北側を山の田地区、南側を幡生地区と呼び分けることが一般的です。地理的に近接する川中地区や稗田地区の一部店舗では、「山の田店」といった名称を使用している例もあり、周辺地域との結びつきの強さがうかがえます。

地域の中核的な役割を担う施設としては、下関市立大学が挙げられます。このため、文教地区としての側面も持ち合わせています。地域の主要幹線である県道248号線沿いには、多様な商店や飲食店が軒を連ね、日々の生活を支えています。また、広範囲にわたって住宅地が形成されており、特に下関市内で初期にあたる1961年に完了した大規模な区画整理により、比較的整然とした街並みが特徴となっています。

山の田交差点やJR幡生駅の存在により、この地域は勝山（新下関）地区と共に、下関市の副都心的な役割を担う地域として位置づけられることが多いです。特に山の田交差点にあるサンデン交通の「山の田」バス停は、多くの路線が集まる主要な停留所であり、交通の要衝となっています。交通利便性の高さに加え、教育施設や多様な商業施設、医療施設などが充実していることから、居住地としても高い人気を集めている地区です。

商業施設

この地域には様々な商業施設があります。かつては大型商業施設として山の田サティ（2009年閉店）やレッドキャベツ山の田店（2017年閉店）がありましたが、現在は丸喜武久店をはじめ、セブンイレブン、ローソンといったコンビニエンスストア、ヤマダ電機テックランド下関店などが営業しています。また、近隣のゆめモールなども含めると、日常的な買い物に便利な環境が整っています。過去には丸和生野店やミスタードーナツ下関山の田ショップなども立地していました。

公共・医療・金融施設

公共サービス関連施設としては、下関市役所サテライトオフィス山の田が設置されています。郵便局は、集配業務を行う下関東郵便局と幡生郵便局があります。医療施設も充実しており、下関市医師会館、医師会病院、下関市夜間急病診療所が地域の医療を支えています。金融機関としては、山口銀行山の田支店や西中国信用金庫山の田支店などが立地しています。

教育機関

高等教育機関として、下関市立大学があります。また、小学校は下関市立山の田小学校と下関市立生野小学校が、中学校は下関市立山の田中学校があります。看護教育に関しては、かつて下関市医師会が運営する下関看護専門学校がありましたが、移転を経て2021年度に閉校。その後、東亜大学が教育理念を引き継ぎ、2022年度から東亜大学付属下関看護専門学校が同じ場所に開校しています。

交通

道路交通においては、山の田交差点は交通量が多く、かつては慢性的な渋滞が課題でした。この対策として、地域の海側に下関北バイパスが建設され、2015年3月に全線が開通しました。これにより、山の田地区を通る旧国道191号の一部区間は、県道や市道へと指定が変更されました。バス交通はサンデン交通が運行しており、山の田、大学町2丁目、幡生口、武久、幡生駅など、多くのバス停が設置されています。特に宝蔵寺バス停からは、福岡方面への高速バス「ふくふく号」も利用できます。鉄道は、JR西日本の山陽本線と山陰本線の分岐点に近く、幡生駅が地域の玄関口となります。幡生駅の北側では、山陽本線の複線が山陰本線の単線を挟む形で並走する区間が見られます。地域住民の間には「山の田新駅」の設置を望む声もありますが、幡生駅との距離や地理的な条件から、実現の可能性は低いという見方も根強いです。

名所・企業

地域には、生野神社（宮山古墳）や長泉寺といった名所・旧跡が存在します。また、西日本旅客鉄道下関総合車両所や下関酒造など、地域経済を支える主要な企業も立地しています。

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