山下和美

山下 和美（やました かずみ）について

山下和美は、1959年8月15日生まれの日本を代表する漫画家です。北海道小樽市で生まれ育ち、神奈川県立希望ヶ丘高等学校を卒業後、横浜国立大学の教育学部に入学しますが、中退しています。彼女の漫画家としてのキャリアは、1980年に『週刊マーガレット』（集英社）でデビューしたことから始まりました。最初は少女漫画を中心に活動していましたが、後に青年漫画誌である『モーニング』（講談社）での成功を収めます。

彼女の代表作としては、父親である古瀬大六を主人公とした『天才柳沢教授の生活』や、マーク・トウェインの小説に触発された『不思議な少年』が挙げられます。特に『天才柳沢教授の生活』は、彼女の名を全国に広め、2003年には講談社漫画賞一般部門を受賞しました。さらに、2011年には『YOU』（集英社）で『寿町美女御殿』を発表し、続いて『数寄です!』を連載するなど、その活躍は多岐にわたります。

山下は2021年に画業40周年を迎え、これを記念して原画展を開催しました。また、同年には『ランド』で第25回手塚治虫文化賞マンガ大賞も受賞し、彼女の作品の質と影響力はますます高まっています。

音楽への愛と家族の影響

学生時代からロック音楽に傾倒していた山下は、ディープ・パープルやレインボー、特にリッチー・ブラックモアのファンとして知られています。また、ジェスロ・タルや矢沢永吉の楽曲も愛好しており、音楽に対する情熱は彼女の創作にも影響を与えていると言われています。彼女は音楽評論家との対談で、音楽の多様性を楽しむ姿勢を明かし、ラップに挑戦したイアン・ギランの試みに対しては少し困惑したと語っています。

興味深いことに、彼女は4人姉妹の末っ子であり、上の姉二人も一時期は漫画家として活動していました。このような家庭環境が、彼女の漫画技術にも寄与しているとされています。

健康問題と社会貢献

1980年代には、彼女が『週刊マーガレット』の新連載を準備している際に脳梗塞を患い、入院する事態となります。その結果、現在も視野に後遺症がありますが、彼女はそれを乗り越えて創作を続けています。さらに、2020年には東京都世田谷区豪徳寺の洋館保存運動に参加し、近隣の住民と協力して活動を推進しました。これらの活動を描いた漫画『世田谷イチの洋館の家主になる』を2021年から『グランドジャンプ』で連載しており、2024年3月にはオープンする予定です。

作品リスト

山下和美の代表的な作品には、以下のものがあります。

• - BOY 全2巻
• - カーニバル 全1巻
• - さようなら…あなた 全1巻
• - 天才柳沢教授の生活 （講談社）既刊34巻
• - 不思議な少年 （講談社）既刊9巻
• - ランド （講談社）全11巻
• - 数寄です!（全3巻）

結論

山下和美は、その多才な作品と独特な視点で、多くの読者に感動を与え続けている漫画家です。彼女のこれまでの歩みや影響を与えた要素は、今後の創作活動にも影響を与えていくことでしょう。

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