山下埠頭

山下埠頭の概要

山下埠頭（やましたふとう）は、神奈川県横浜市に位置する横浜港の一つであり、山下公園の近くにあります。この埠頭は、長い歴史を有し、戦後の日本において重要な役割を果たしてきました。特に、1951年の日米安保条約調印以降、在日米軍のアクセス拠点としても利用され、1953年からの工事を経て1955年に第1バースが完成しました。1963年には全面完成し、その後山下埠頭駅も開設されましたが、1986年には廃止されています。

港湾機能の詳細

山下埠頭は、総面積47.1ヘクタールを有し、公共のバースが10か所、物揚げ場が8か所、上屋が11棟、荷捌き場が24か所、さらに21棟の民間倉庫が整備されています。主に取り扱われる品目としては、鉄鋼や機械製品が多く、年間の取扱量も非常に大きな数字を記録しています。特に2002年には605千トンの品目が扱われ、鉄鋼220千トンなどが記録されています。

再開発の動向

近年、横浜市は山下埠頭周辺の再開発を進める必要性を認識しています。物流の中心が本牧埠頭や南本牧埠頭に移行していることに加え、みなとみらい線の開通によって地域の利便性が向上したため、山下埠頭の再開発が議論されています。都市再生特別措置法に基づき、特定都市再生緊急整備地域として指定され、カジノを含まない観光・商業拠点への転換が検討されています。2026年度頃の再開発を目指し、2030年頃の供用開始を計画している段階です。

交通と接続

横浜市では山下埠頭周辺の交通体系を改善するため、連節バス「ベイサイドブルー」が導入され、横浜駅からのアクセスが強化されています。また、過去にはLRTによる接続も検討されましたが、具体的な進展は見られません。一方で、空中交通を利用したロープウェイ構想も浮上しており、今後の交通計画にも注目が集まっています。

国際旅客船拠点への展望

この埠頭は将来的に国際旅客船の拠点となることも視野に入れています。大さん橋や新港埠頭といった他の国際客船ターミナルと連携し、新たな客船の受け入れを考慮した整備が進められています。特に2025年を整備目標とし、観光の誘致に力を入れる方針です。

様々な再開発案

山下埠頭における再開発案は多岐にわたり、用途の提案が行われています。例えば、ドーム球場構想や、MICE（会議・展示・イベント）の中心としての機能を持つ施設の検討がされており、多様な利用者に応じた空間作りが行われています。さらに、地域の市民の意見を反映させようとする動きも活発化しており、「みんなの山下ふ頭に○○があったらイイナ」プロジェクトが展開されています。これは、市民が自発的に集まり、地域に必要な機能や活動を考えるもので、市民主体による再開発の取り組みとして注目されています。

結論

山下埠頭は、横浜市の経済と観光の要として様々な機能を備えています。今後、再開発を通じて新たな魅力を創出することが期待されており、地域の活性化に向けた取り組みが進められています。横浜の歴史とともに発展してきたこの埠頭は、多くの人々にとって新たな魅力的な空間として再生されることでしょう。

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