連節バス

連節バスについて

連節バスとは、大量輸送を目的としたバスの一種で、複数の車体が関節によって連結されているのが特長です。この設計により、旅客定員を大幅に増やすことが可能となり、都市部での公共交通機関として広く利用されています。本記事では、連節バスの構造、特徴、運行の現状などを詳しく解説します。

構造と名称

連節バスは通常、2台以上の車体が関節でつながれています。もっと一般的になっているのは、先頭車両が通常のバスと同様の2軸構造であり、後方の車両は後輪が1軸の3軸形式です。そのため、連接車やアコーディオンバスとも呼ばれることがあります。これに対し、トレーラーバスは路上で前後の車体を分離することが難しいため、完全に固定された形態として設計されています。車両間は幌でつながれているため、停車中でも乗客が自由に行き来できます。

エンジンの配置

連節バスのエンジンは先頭車両か後方車両のどちらかに置かれ、運行スタイルによって異なります。欧州では、環境に優しいトロリーバスとしても運行されていることが多く、エンジンの配置と設計が多様化しています。

車両のサイズ

連節バスの全長は、2車体連結の場合で約18mから19mで、人数にして110人から190人程度が運ぶことができます。3車体の場合は、全長が約24mから26mに達し、約270人を輸送可能です。特に、2階建ての連節バスでは、定員170人としてギネス記録に登録されていることもあります。

トレーラーバスとの違い

トレーラーバスと連節バスは、車両間の構造の違いから異なる使用法が要求されます。例えば、トレーラーバスは通常、前後を分離して運行することが可能なのに対し、連節バスは完全に固定されているため、車両間の移動が容易で安全です。この固定式の構造は、安全性を高める反面、自由に道路を横断する際の注意が必要となります。

運行上の課題

連節バスの運行にはいくつかの課題があります。まず、連節バスは一般のバスよりも大きいため、道路やバス停にあわせた改良が必要です。待機場所としての用地面積も通常のバスの1.5倍程度必要であり、都市環境ではスペースの確保が難しい場合が多いです。さらに、道路の走行は、車体が地面に接触することがあるため、適切な設計が求められます。

国内の導入状況

日本においては、連節バスは特に都市間輸送や観光地を中心に導入が進んでいます。例えば、いすゞ自動車や日野自動車などのメーカーが、国産のハイブリッド式連節バスを生産しています。また、神奈川県や東京都では、路線バスや観光バス、およびBRT（バス高速輸送システム）において運行する事例が増えており、都市の交通渋滞緩和に貢献しています。

世界での事例

連節バスはヨーロッパをはじめ、アメリカや南米の都市でも多くの例が見られます。特に、ニューヨークやロサンゼルスでは、BRT路線で頻繁に運行されており、輸送効率を高めています。これらの仕様や運行方法は、地域ごとの交通ニーズに基づいて調整されており、連節バスが地域社会への重要なインフラとしての役割を果たしています。

まとめ

連節バスは、その特異な構造と性能によって、大量輸送を実現するための有効な手段です。今後も都市交通の中心として、さらなる導入や改善が期待されています。環境問題や地域の交通課題を解決するための重要な役割を担うことが求められるでしょう。

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