山下智博

山下智博

山下智博（やました ともひろ、1985年10月29日 - ）は、日本と中国を舞台に活躍するネット動画プロデューサーであり、ワタナベエンターテインメントに所属しています。彼の活動は、動画配信、番組プロデュース、イベント出演など多岐にわたり、日中の文化交流に大きく貢献しています。

生い立ちとキャリア

北海道小樽市出身の山下智博は、小樽潮陵高等学校を経て大阪芸術大学芸術計画学科を卒業。大学時代は、現代美術の展覧会企画やアートイベントの運営に携わりました。2008年には札幌市芸術文化財団教育文化会館事業部に所属し、「能」「狂言」「歌舞伎」といった日本の伝統芸能から演劇まで、幅広いパフォーミングアーツの公演マネジメントやワークショップ企画運営を担当。自身も表現者として活動を開始し、札幌ハプニングのディレクターを務めるなど、その才能を発揮しました。

2012年、表現者としての成長を求め、山下は単身で中国・上海市へ移住。尖閣諸島問題がくすぶる困難な時期に、中国語をゼロから学び、中国でのフィールドワークを開始しました。そして、中国インターネットに活路を見出し、2013年から動画配信をスタートさせました。同時期には上海大学美術学院大学院にも入学しましたが、後に中退しています。

bilibili動画での成功

2014年12月、山下はbilibili動画でネット情報バラエティ番組「紳士の大体一分間」の配信を開始。この番組が中国で大ヒットし、以後、日本の土着文化を紹介する動画を精力的に投稿。彼の動画は中国の若者を中心に絶大な支持を集め、現在では各プラットフォームのフォロワー数は650万人を超え、動画の累計再生回数は約14億回に達しています。

2016年以降は、個人での動画制作に加え、日本のテレビ制作チームと共同で中国向け番組を制作する番組プロデュース業にも注力。「紳士の一分間劇場（北海道テレビと協業）」や「窮豪旅遊記（bilibili動画と元THE！鉄腕！DASH！制作チームと協業）」など、数々の人気番組を生み出しています。

2018年には日中友好青年大使に就任し、2022年には小樽ふれあい観光大使にも任命されるなど、その活動は広く認められています。現在は、株式会社ぬるぬるの共同代表兼CCO（チーフクリエイティブオフィサー）として、新たなコンテンツ制作に携わっています。

人物像

山下は自らを「日中の潤滑油（ローション）」と称し、日中の文化に対する深い理解とユーモラスな表現手法によって、中国の若者から圧倒的な支持を得ています。甘党で、ビール一口で酔ってしまうほどの下戸であるという意外な一面も持ち合わせています。

趣味は音楽で、中学生の頃からオリジナル楽曲を制作。大学時代にはジャズ研究会に所属し、サックスを演奏していました。動画で使用されている一部の音源は、彼自身が作曲したものです。高校時代はラグビー部に所属していましたが、短期間で退部。当時は日焼けした茶髪という、現在とは全く異なる風貌だったそうです。

2010年頃から七三分けに色メガネというトレードマークのスタイルを確立。中国移住を機に、中華風の服を日常的に着用するようになりました。中国の地方都市では、地元の人々に「そんな服はどこで買うんだ？」と驚かれることもあるそうです。2022年3月には、長年続けてきた七三分け・色メガネのスタイルを大胆にイメージチェンジし、ショートカット・金髪という斬新な姿に変身しました。

国内外の現代アートやサブカルチャーにも精通しており、アニメにも造詣が深く、コミケや声優のファン交流会などのイベントにも司会として参加しています。中国のファンからは、名前の中国語発音が似ていることから「鶏首」「３３」といった愛称で親しまれています。

山下智博は、そのユニークな視点と才能で、これからも日中文化交流の最前線で活躍していくことでしょう。

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