山内恭彦

山内恭彦について

山内恭彦（やまのうち たかひこ、1902年7月2日 – 1986年10月13日）は、日本の著名な理論物理学者であり、東京大学の名誉[[教授]]です。彼は原子物理学や核反応に関する研究を通じて、日本の物理学界に多大な貢献をしました。戦後の研究と教育において重要な役割を果たし、その成果により数々の栄誉を受けています。

学歴と職歴

1917年、山内は神奈川県に生まれ、府立一中、一高で学びました。さらに東京帝国大学の理学部物理学科に入学し、寺沢寛一教授のもとで学びました。1926年に卒業後、東京帝国大学理学部の助手として働き始め、間もなく東京高等学校の教授に就任しました。1929年には工学部の講師となり、同年に助[[教授]]に昇格。その後、1938年には学位論文『原子勢力準位の計算について』を提出し、理学博士号を取得しました。

1942年に第二工学部の教授に昇格し、1949年には東京大学理学部の教授となり、原子物理学第一講座を担当しました。1959年からは核反応講座を担当し、1961年には理学部長を務めました。1963年には定年退官し、その後は上智大学の理工学部で教授として教鞭をとっていました。1986年に逝去し、彼の墓所は染井霊園にあります。

受賞歴

山内は1956年に「原子スペクトル理論への群論の応用」により日本学士院賞を受賞し、1972年には叙勲二等旭日重光章を授与されました。1986年には叙従三位の栄典を受けました。

研究と業績

原子物理学や原子核物理学を中心にリーダーシップを取り、計算機や科学哲学の分野にも深い興味を持ち、後輩の育成に尽力しました。特に、群論を活用した原子構造の解明において重要な成果を上げました。また、東京大学理学部の物理学教室の運営にも尽力しました。彼の教え子の一人である小柴昌俊氏は、彼を大学院時代の恩師と述べています。

山内の著書には、研究者を目指す学生のための教科書『一般力学』や、物理研究者に向けた『回転群とその表現』があります。どちらも物理学の分野で高く評価されています。

家族

彼の祖父、山内堤雲は幕臣から官僚として活躍した人物であり、妻は森電三の長女です。

主な著作

山内恭彦の著作には、以下のような作品があります。

• - 『一般力学』（岩波書店、1941年）
• - 『量子力学概論』 第1巻（河出書房、1947年）
• - 『廻転群及びその表現論』（AKADEMEIA PRESS、1948年）
• - 『物理数学』（岩波書店、1950年）
• - 『科学と人生』（講談社、1966年）
• - 『現代科学と人間』（中央公論社、1970年）

これらの著作は、物理学の教育や研究の発展に大きく寄与しています。彼の功績は日本の理論物理学界において、今なおその影響が色濃く残っています。

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