山内盛豊

山内盛豊（やまうち もりとよ）は、戦国時代に尾張国で活躍した武将です。岩倉織田氏、すなわち織田伊勢守家に仕え、家老という重責を担いました。特に、尾張黒田城の城代として、その地域を統治する重要な役割を果たしました。

盛豊は永正7年（1510年）に、山内久豊の子として誕生しました。父・久豊は尾張羽栗郡黒田の土豪であり、尾張上四郡を支配していた守護代、織田伊勢守家（岩倉織田氏）に仕えていました。盛豊もその流れを受け、主君である岩倉城主、織田信安から尾張黒田城代を命じられ、その地を治めることとなります。

盛豊の事績として特筆されるのは、天文23年（1554年）8月に、岩倉町の下市場にある神明生田神社の正殿造営に携わったことです。この時、棟札が作られ、現在もその存在が確認されています。この棟札は、盛豊が岩倉織田氏の有力な家臣であったことを示す貴重な資料となっています。

盛豊の最期については、資料によって異なった記述が残っています。弘治3年（1557年）に黒田城が夜討ちにあい、子の十郎とともに戦死したという説があります。一方で、岩倉城に逃れ、永禄2年（1559年）に織田信長による岩倉城攻め（浮野の戦い）の際に戦死、あるいは自害したという説も存在します。

盛豊の子である一豊は、後に諸大名を転々とし、最終的には織田信長に仕えました。その後、豊臣秀吉、徳川家康にも仕え、土佐国一国を領する藩主として立身しました。山内一豊は、関ヶ原の戦いでの功績が大きく評価され、土佐藩24万石の大名となったことで知られています。盛豊の存在は、その子である一豊の活躍を語る上で、決して無視できない重要な要素といえるでしょう。

山内盛豊は、戦国時代の尾張地域において、岩倉織田氏を支えた重要な武将の一人であり、その生涯は戦国時代の激しい動乱を反映しています。また、彼の子である一豊の活躍は、戦国時代から江戸時代初期への歴史的な転換期を象徴する出来事として、後世にまで語り継がれています。

なお、盛豊は2006年のNHK大河ドラマ「功名が辻」において、坂口進也によって演じられました。

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