山内規重

山内規重（やまうち のりしげ）は、江戸時代中期に土佐藩で活躍した家老であり、山内家の一門に属する人物です。彼は後に山内姓を許された山内重直の子として、天和2年（1682年）に生まれました。山内規重は、5代藩主である山内豊房の時代に、奉行、そして家老という重要な役職を歴任し、藩政を支えました。特に、緊縮財政政策を採用し、藩の財政再建に尽力しました。

また、山内規重は、儒学者としても知られており、浅見絅斎に師事し、学問にも励んでいました。その人格は、山内家一族の中でも人望を集めており、多くの人々から信頼されていました。しかし、正徳元年（1711年）12月26日、家老深尾氏の婚儀にまつわる出来事が原因で、香美郡山北村に蟄居を命じられ、失脚するという不運に見舞われました。この事件は、彼のキャリアに大きな影を落としました。

その後、7代藩主となった山内豊常は、山内規重の能力を高く評価し、再び彼を登用しました。しかし、山内規重は享保6年（1721年）に、40歳という若さでこの世を去りました。彼の死は、土佐藩にとって大きな損失だったと言えるでしょう。山内規重は、その短い生涯の中で、藩政の立て直しに貢献し、学問にも精通した人物でした。彼の著書である『学否弁論』は、彼の思想や学識を今に伝える貴重な資料となっています。

山内規重が蟄居させられた場所である山北村では、彼の失脚にちなんだとされる「山北棒踊」という伝統芸能が、浅上王子宮秋祭りで行われています。この棒踊りは、高知県の保護無形民俗文化財に指定されており、山内規重の歴史を今に伝える重要な文化遺産となっています。

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