山内豊常

山内豊常（やまうち とよつね）

山内豊常は、江戸時代中期の土佐藩の第7代藩主です。正徳元年（1711年）に第6代藩主・山内豊隆の次男として生まれました。兄が早世したため、世子となり、享保4年（1719年）には将軍徳川吉宗に謁見しました。

若年での藩主就任

翌年の享保5年（1720年）、父・豊隆の死去に伴い、わずか9歳で土佐藩主となりました。幼少のため、幕府から国目付として使番の保科正純らが派遣され、藩政を補佐しました。また、父によって失脚させられていた分家の山内規重が復帰し、三宅尚斎も登用されて藩政を支えました。

享保6年（1721年）には従四位下・土佐守に叙任され、享保8年（1723年）には侍従に任官しています。享保10年（1725年）には初めての国入りを許されました。

早すぎる死

しかし、豊常は同年9月2日に死去しました。享年15という若さでした。後継者がいなかったため、規重の嫡男である豊敷が養子として跡を継ぎました。

豊常は、父・豊隆とは異なり、幼い頃から聡明であると評判で、その将来を嘱望されていました。しかし、その才能が開花する前に、短い生涯を終えることとなりました。

藩政への影響

藩主就任当初は、規重や尚斎といった補佐役によって藩政が運営されました。しかし、享保6年（1721年）に規重が死去し、尚斎も政界から引退したため、豊常は幼くして自ら政務を執ることになりました。

若くして藩主となった豊常は、その聡明さで周囲の期待を集めましたが、病のため志半ばでこの世を去りました。彼の早すぎる死は、土佐藩にとって大きな損失であったと言えるでしょう。

系譜

父：山内豊隆（1673-1720）
母：不詳
正室：幾姫 - お菟、松平定儀養女、松平定逵の娘
養子：
* 男子：山内豊敷（1712-1768） - 山内規重の嫡男


山内豊常は、その短い生涯の中で、土佐藩の藩主として、また将来を嘱望された人物として、その名を歴史に刻みました。

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