山南市

山南市について

山南市（さんなんし）は、チベット自治区の中心部に位置する地級市です。この地域の公用語はチベット語で、正式名称は「ロカ市」（ལྷོ་ཁ་གྲོང་ཁྱེར）、中国語では「シャンナンシ」と呼ばれています。この名称は、チベット名の「ロカ」の意訳であり、日本語でも「ロカ市」、または中国名の「山南市」として広く知られています。山南は、チベットの地理において重要な役割を果たし、北側のラサ市とともにウー地方を形成し、その住民は「ウーパ」と称されます。

地理的特徴

山南市は青蔵高原の東南部に位置し、ヤルンツァンポ河中下流を流れています。西はシガツェ市、北はラサ市、東北にはニンティ市と接し、南側はインドやブータンとの国境に面しています。この地域の海抜は3,700メートルで、気候は比較的温和です。ただし、南部のツォナ・ゾンとルンツェ・ゾンは、インドとの国境を巡る紛争地域に該当しています。

歴史

山南市の歴史は古く、6世紀後半から7世紀にかけて吐蕃王家がチベットの統一を目指して本拠地を設置した地域です。特に、ユムブラカン宮殿はその歴史的な拠点として知られています。現在の市の構造は、2016年に山南地区が地級市へと昇格して新たな形態が整えられました。

行政区画

山南市は、1つの市轄区と1つの県級市、さらに10の県で構成されます。具体的には、ネドン区（乃東区）、ツォナ市（錯那市）を含む各県があり、県の名称にはナンカルツェ県、ゴンカル県などがあります。これらの地域はそれぞれ独自の特性を持ち、多様な文化を色濃く反映しています。

年表

山南市の歴史は1951年に始まり、その後数十年にわたり変遷を経てきました。ロカチキャプが成立し、いくつかのゾンやシカが設立されました。1955年には山南弁事処として再編成され、1960年には山南専区が結成されました。その後、地域統治の変化を経て、2016年には山南市として地級市に昇格しました。

交通

山南市は交通網が発展しており、ラサ・クンガ空港が主要な空港として機能しています。また鉄道や高速道路も整備されており、特にラサ・ニンティ鉄道や雅葉高速道路が重要な交通路となっています。

結論

山南市は、その豊かな歴史と文化、そして美しい自然環境から、訪れる人々に多様な経験を提供する魅力的な地域です。チベット文化の深い影響を受けたこの地は、観光や研究の場としても期待されています。

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