山口千嶺

山口千嶺八段：波瀾万丈の棋士人生

山口千嶺（やまぐち ちみね）は、1937年6月11日生まれ、2004年9月3日没の将棋棋士です。八段の段位にまで上り詰め、その棋士人生は、常に好不調の波が激しく、ドラマチックな展開を見せました。

1951年、奨励会に入会。1960年度後期には奨励会A組（旧制度の三段リーグ）で関東優勝を果たし、関西代表との東西決戦も制覇。見事1期でA組を突破し、1961年4月1日、四段に昇段、プロ棋士としての道を歩み始めます。

プロ入り後は、順位戦で着実に昇段を重ねていきます。1963年度のC級2組順位戦では9勝3敗の好成績で2位となり、C級1組に昇級、五段に昇段。この年には、後に名棋士となる米長邦雄にも勝利しています。さらに1966年度には、C級1組順位戦で11勝1敗の圧倒的な成績で1位となり、B級2組に昇級、六段に昇段しました。その後、一時C級1組に陥落するものの、1973年度には再びB級2組に復帰しています。

山口八段の活躍は順位戦だけにとどまりません。タイトル戦でも存在感を示しました。1975年度前期の棋聖戦では本戦トーナメントに進出。1回戦では、晩年の塚田正夫永世九段を破る金星を挙げ、ベスト8まで進みました。また、1976年度後期にも棋聖戦本戦に進出するなど、タイトル戦での活躍が目立ちます。1975年には38歳にして新人王戦でベスト4まで進出。ベテラン棋士として、若手棋士相手に健闘を見せます。さらに、早指し将棋選手権でも予選を突破し、本戦3回戦進出を果たしています。

1979年は成績が低迷するものの、1980年度の王座戦では予選を突破し、本戦1回戦で内藤國雄に勝利。2回戦では大山康晴に敗れましたが、タイトル挑戦者相手に勝利するなど、実力を見せつけました。

1984年度には、棋聖戦で4度目の本戦進出を果たします。同年、王位戦では予選を4連勝で突破しリーグ入り。リーグメンバーは、大山康晴、中原誠、内藤國雄、森雞二、森安秀光と、タイトル経験者ばかりの中で、森雞二、森安秀光から白星を挙げる健闘を見せますが、2勝3敗でリーグ残留はなりませんでした。

1988年度の王将戦では二次予選2回戦まで進出し、難関リーグ入りまであと2勝というところまで迫りますが、当時名人の谷川浩司に敗れ、惜しくもリーグ入りは叶いませんでした。

2003年に引退。翌2004年9月3日、67歳でこの世を去りました。

山口千嶺八段の棋風は振り飛車党で、特にさばきの四間飛車を得意としていました。その独特の棋風と、常に挑戦を続ける姿勢は、多くの将棋ファンに記憶されています。

昇段履歴

1951年　奨励会入会
1961年4月1日　四段（関東奨励会A組優勝、東西決戦勝利）
1964年4月1日　五段（順位戦C級1組昇級）
1967年4月1日　六段（順位戦B級2組昇級）
1981年11月17日　七段（贈七段）
2002年4月1日　八段（フリークラス規定）
2003年3月31日　引退

主な成績

棋聖戦本戦進出（複数回）
王位戦リーグ入り
新人王戦ベスト4
* 早指し将棋選手権本戦3回戦進出

山口千嶺八段の棋士人生は、常に挑戦を続ける姿を示した、記憶に残るものだったと言えるでしょう。

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