山口国男

山口国男 - 競輪界の伝説

山口国男（やまぐち くにお、1950年8月11日生まれ）は、元競輪選手であり、東京都荒川区に生まれました。彼は日本競輪選手会東京支部に所属し、特に松戸競輪場をホームバンクとして活躍しました。また、彼は競輪学校第24期生であり、競技人生を通じて数々の素晴らしい功績を残しました。彼の愛称は『フラワーのドン』や『下町の大将』で、愛される存在でした。

競技キャリアの始まり

山口は父親の影響を受け、競輪の大ファンとして競技の世界に足を踏み入れました。1966年に競輪学校に入学し、翌年の1967年2月23日、川崎競輪場でデビューを果たしました。初めてのレースでは3位に入賞し、その後1968年にはB級として10連勝を達成しA級に昇格しました。1972年には高松宮杯でのGI初優出を果たしますが、惜しくも3位となりました。

兄弟の連携と名言

特に印象的なレースは1978年の第31回日本選手権競輪です。このレースでは、弟である山口健治が逃げ、山口国男が番手を固めました。レースが進む中、藤巻清志が追い上げてきましたが、山口はそのまま差し込み優勝するかに思われました。しかし、ゴール直前で藤巻に交わされ、結果はまさかの2位に終わります。その際、彼は「脚が三角に回った」と表現しました。この言葉は、競技中の心情を表すユニークな表現として、後に広まりました。

フラワーラインの形成

山口国男は、競輪界の「フラワーライン」の首領としても知られています。彼は選手同士の連帯感を重視し、選手たちが協力し合う風土を作り上げました。特に1979年の大会においては、弟に優勝をさせるために後輩選手に犠牲的役割を担わせるなど、戦略的な行動を取ることもありました。選手たちの結束を図る中で、フラワーラインは競輪界における重要な要素となっていきました。

フラワーラインの変遷

しかし、全てが順調に進むわけではなく、山口の情に厚い性格が影響を及ぼすこともありました。選手たちにタイトルを配分する試みは、最終的にフラワーラインの崩壊を招く要因となりました。特に、地区の異なる選手同士を組ませることで、競技性が損なわれるという批判が強まりました。こうした状況に対処するため、競輪界は制度を見直し、トーナメントの形を戻す方向に転換していきます。

引退後の活動

山口国男は2001年に現役を引退し、その後は松戸競輪場の講師としてファンとの対話を重ねました。彼の指導スタイルは多くのファンから支持を受けていましたが、2015年9月に定年を迎え、講師の座を退くこととなりました。

結論

山口国男は、個人的な競技成績以上に、競輪界に多大な影響を与えた人物です。彼の存在は、選手同士の絆や競技の発展に寄与し、多くの人々に愛され続けています。今もなお、彼の言葉や行動は競輪界で語り継がれ、後進の選手たちに影響を与えています。

もう一度検索