山口孝男

山口孝男

山口孝男（やまぐち たかお）は、日本の数学者であり、微分幾何学、特に大域リーマン幾何学を専門としています。京都大学名誉教授、筑波大学名誉教授という二つの名誉職を持つ、学術界で高く評価されている研究者です。

経歴

1984年に筑波大学大学院数学専攻博士課程を修了し、理学博士号を取得しました。博士課程では、塩浜勝博教授の指導を受けました。その後、九州大学理学部助教授を経て、1994年に九州大学大学院数理学研究科教授に就任。2002年には筑波大学数学系教授、2004年には筑波大学大学院数理物質科学研究科教授と、日本の主要な大学で教鞭を執りました。2014年からは京都大学大学院理学研究科教授として研究活動を行い、2021年に退官し、京都大学名誉教授となりました。退官後も、筑波大学名誉教授として研究を継続しています。

研究分野と業績

山口教授の主な研究テーマは、リーマン多様体の収束と崩壊現象です。この分野における一連の研究は、数学界において重要な貢献として認められており、1999年には幾何学賞を受賞しました。また、2010年には国際数学者会議（ICM）において招待講演を行っており、その研究成果は国際的にも高く評価されています。

特に注目すべきは、東北大学の塩谷隆教授との共同研究による3次元多様体の崩壊に関する研究です。この研究は、グリゴリー・ペレルマンによって証明された3次元多様体の幾何化予想（ポアンカレ予想の解決を含む）において、重要な役割を果たしました。山口教授の研究は、純粋数学の発展に大きく貢献しているだけでなく、他の数学分野や物理学にも影響を与えています。

受賞歴

1999年: 幾何学賞

外部リンク

山口 孝男 京都大学理学研究科・理学部（2021年2月14日アーカイブ）

山口孝男教授は、その長年にわたる数学研究への貢献と、優れた業績により、日本の数学界における重要な人物の一人として広く認識されています。

もう一度検索