山口市の歌
山口市の歌の歴史
本記事では、山口県山口市の歴史における市歌の移り変わりについて詳しく解説します。これまで制定された2つの市歌は、今はもう存在しませんが、それぞれの背景には深い意味があります。2006年に新たに制定された「ふるさとの風 〜山口市民の歌〜」の誕生までのストーリーをお伝えします。
初代山口市と市歌の制定
山口市の初代は1929年に吉敷郡山口町と吉敷村が合併して発足しましたが、当初は市歌が制定されていませんでした。その後、1944年には再度合併が行われ、2代目山口市が成立しました。この時期には市のアイデンティティを表現する市歌の必要性が強まりました。
初代の「山口市民歌」
初代の市歌「山口市民歌」は、1948年に火災で全焼した市役所の新庁舎落成を祝う形で1951年に制定されました。この歌の作詞は川下紅風によるもので、作曲は弘中策が担当しました。歌詞は公募によって制作されましたが、応募作品が入選しなかったため、大分県からの応募作が採用されました。その後、弘中に作曲を依頼しました。昭和27年版の市勢要覧には、この歌の歌詞と楽譜が掲載されています。
2代目の「山口市の歌」
1963年、当時の第10代市長である兼行恵雄は、新たな市歌の制定を提唱しました。これに対して、歴史や伝統を重んじつつ未来への希望を込めた歌が求められました。この歌の作詞は佐藤春夫に依頼され、彼は山口市を訪れた際にインスピレーションを受け、2か月後に歌詞が完成しました。作曲は信時潔によって行われ、彼は以前に佐藤の歌詞に曲を付けた経歴があります。こうして1963年に「山口市の歌」として制定されました。
廃止と新市民歌の制定
2000年代に入り、山口市は周辺の町と合併し、3代目の山口市が誕生しました。これに伴い、合併前の各市区町の市歌は見直され、2006年の合併日に「山口市の歌」や他の地域の町歌はすべて廃止されることが決定しました。新市民歌の制定作業は直ちに開始され、5月30日には新たに「ふるさとの風 〜山口市民の歌〜」が誕生しました。
このように、山口市の市歌は歴史の中で変遷を遂げ、地域のアイデンティティを反映してきました。また、同時期に県も市と連携を持って歌の再編成に取り組んでおり、市民にとっては文化的な意義を持ち続けています。
参考文献
関連項目
このような背景を持つ山口市の歌は、地域の文化や歴史を感じる大切な存在です。市民ひとり一人に親しまれ、誇りを持たれることを願っています。
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