山口弘務

山口弘務（やまぐち ひろちか）は、江戸時代中期に常陸牛久藩の第7代藩主を務めた人物です。彼は、越後新発田藩主・溝口直温の七男として生まれました。母は杉浦豊。幼名は勝之進と称し、官位は従五位下、伊豆守に叙任されています。

生涯

安永9年（1780年）10月29日、山口弘務は弘道の養嗣子となります。同時に、弘道の養女（姪）を正室として迎えました。これは、藩主家における後継者としての地位を確固たるものにするための措置であったと考えられます。天明元年12月15日（1782年）には、将軍徳川家治に御目見えし、幕府への忠誠を示しました。

天明3年（1783年）11月4日、養父である弘道の死去に伴い、家督を相続し、牛久藩の藩主となりました。同年12月18日には、従五位下・伊豆守に叙任され、藩主としての地位を確立しました。しかし、藩主としての期間は長くはありませんでした。天明7年（1787年）10月20日、31歳という若さでこの世を去りました。

嗣子がいなかったため、家督は弘道の長男である山口弘致が継ぐこととなりました。法号は剣外逸竜弘務院。

系譜

実父: 溝口直温
実母: 杉浦豊（側室）
養父: 山口弘道
正室: 山口弘道の養女、山口弘倉の娘
* 養子: 山口弘致（山口弘道の長男）

山口弘務は、短期間ながらも藩主としての役割を果たし、牛久藩の歴史に名を刻みました。彼の早世は藩政に影響を与えたと考えられますが、その後は養子の弘致が藩主となり、藩政を担っていきました。

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