山口県立大津高等学校

山口県立大津高等学校：歴史と統合の軌跡

山口県長門市東深川に位置した山口県立大津高等学校は、その歴史の中で全国高等学校ラグビーフットボール大会や全国高等学校軟式野球選手権大会の常連校として名を馳せました。しかし、時代の流れとともに生徒数の減少という課題に直面し、2013年3月、山口県立水産高等学校および山口県立日置農業高等学校との統合を経て、新たに山口県立大津緑洋高等学校として再編され、その歴史に幕を閉じました。

沿革

大津高等学校のルーツは、1903年4月に設置された深川村立深川高等尋常小学校補修科に遡ります。この補修科は後に県立深川高等女学校、そして深川女子高等学校へと発展しました。

1924年4月15日には、深川村外八か町村組合立大津中学校が設立され、これが後の県立大津中学校、そして大津高等学校へと繋がります。1949年4月1日、山口県立大津高等学校は山口県立深川女子高等学校と統合し、校名を山口県立大津高等学校と改称しました。

1953年4月1日には家庭課程が設置されましたが、1962年4月1日に家庭課程の募集は停止されました。1981年、軟式野球部が第26回全国高等学校軟式野球選手権大会で初の栄冠を手にしました。1998年4月1日には、英語コースが設置されました（1学級）。2003年には、軟式野球部が第48回全国高等学校軟式野球選手権大会で2度目の優勝を果たしました。2010年4月1日、英語コースの募集は停止されました。

2011年4月1日、山口県立大津緑洋高等学校への統合に伴い、新規生徒の募集は停止されました。同年8月26日、軟式野球部は大津緑洋高校との連合チームとして第56回全国高等学校軟式野球選手権大会に出場。これは、複数の学校による「連合チーム」が高校野球の全国大会に出場する初の事例となりました（硬式・軟式を通じて）。

そして2013年3月1日、最後の卒業生が学び舎を巣立ち、卒業式の後には大津緑洋高校への継承式が執り行われ、大津高等学校はその歴史に幕を下ろしました。

学科

閉校時、大津高等学校には全日制の普通科と、2009年度入学生までを対象とした普通科英語コースが設置されていました。

著名な出身者

大津高等学校、およびその前身校の出身者には、以下のような著名な人物がいます。

安部キミ子（参議院議員）
安部英（帝京大学元副学長）
江原達也（長門市長）
井村尚嗣（フリーアナウンサー）
岡藤五郎（古生物学者）
金子みすゞ（童謡詩人、深川高女出身）
タサン志麻（家政婦）
田中モトユキ（漫画家）
中島修二（元ラグビー日本代表選手）
中村崇則（ラクス創業者・社長）
浴田由紀子（作家）
アンジー（ロックバンド）

また、香月泰男（画家、大津中学校OB）は、後に美術教師として深川高等女学校、そして大津高等学校に勤務しました。智ノ花伸哉（元小結力士）も、大相撲入門まで大津高校の体育教師として勤務していました。

統合計画

長門市内の県立高校における生徒数の減少を受け、大津高校、水産高校、日置農業高校の3校を統合する計画が立案されました。当初は大津高校と水産高校の2校統合が計画されましたが、両校の出身者を中心に反対意見が多く、長門市議会でも統合計画の撤回を求める意見書が可決されるなど、計画は一時白紙に戻されました。

その後、2008年に県教育委員会は3校統合案を公表。地元住民への説明会や意見募集が行われましたが、依然として計画への反対意見が根強く存在しました。2009年、県教育委員会は3校統合再編を正式に決定し、2011年に新高校を設置、3高校の施設を利用するキャンパス方式を採用、新高校の名称を山口県立大津緑洋高等学校とすることを発表しました。この決定に対し、長門市議会による撤回を求める意見書や市民グループによる条例改正案撤回の請願が提出されましたが、県議会で条例改正案が可決され、再編計画が実施されました。大津・水産・日置農の3校は2011年度から新規募集を停止し、在校生が卒業する2013年3月をもって閉校となりました。

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