山口県道203号厳島早間田線

山口県道203号厳島早間田線：山口のシンボルロード「パークロード」

山口市街地のほぼ中央を南北に貫く山口県道203号厳島早間田線は、その美しい景観から「パークロード」の愛称で親しまれ、日本の道100選にも選ばれている、山口市を代表する道路です。

概要：文化と自然が融合した街路

山口市大手町を起点に、中央1丁目を終点とする全長約0.8kmの一般県道です。1980年に開通、旧山口明倫館跡地を含む山口大学亀山校地跡を南北に通るように整備されました。国道9号山口バイパスと山口県道204号宮野大歳線を繋ぎ、既存の駅通り（山口県道194号山口秋穂線・山口県道205号山口停車場線）と合わせて、県庁舎、市役所、中心商店街、JR山口駅を結ぶ、山口市街地の南北軸を形成しています。

特徴的なのは、道路沿いに美術館、博物館、図書館など多くの文化施設や公共施設が集中している点です。このため、緩やかなカーブ、広い歩道、そして街路樹の植樹など、道路全体が公園のような雰囲気になるよう設計されています。「パークロード」の愛称はこの設計コンセプトに由来します。

歴史と受賞：数々の栄誉に輝く道

歴史的、文化的遺産に恵まれたこの地域を貫く道として、1987年には旧建設省と「道の日」実行委員会により日本の道100選に選定されました。さらに、周辺地区は1994年には読売新聞社選定の「新・日本街路樹100景」にも選ばれ、1998年度には都市景観大賞（都市景観100選）を受賞するなど、その景観は高く評価されています。

なお、起終点の名称に含まれる「厳島」は、山口県庁周辺の旧地名です。

路線データと特徴：細部へのこだわり

起点: 山口市大手町（県庁前交差点、国道9号交点）

終点: 山口市中央1丁目（早間田交差点、山口県道194号山口秋穂線起点、山口県道204号宮野大歳線交点、山口県道205号山口停車場線終点）

延長: 約0.8km

パークロードの魅力は、街路樹や植栽だけではありません。歩道にはフグ、ホンシュウジカ、ナツミカンなど、山口県を代表する動植物の絵が描かれ、美術館前の地下道には山口祇園祭のタイル壁画が飾られています。信号機や街路灯も独自のデザインで統一され、電線は地中化されているなど、細部までこだわりが感じられます。

文化イベントと憩いの場：市民に愛される道路

パークロードは、道路としての機能に加え、山口祇園祭や山口七夕ちょうちん祭などの夏のイベントにも利用され、山口市民の憩いの場となっています。街路樹の緑陰の下を散策したり、イベントを楽しんだり、多くの人々がこの道を訪れ、その美しい景観と活気に満ちた雰囲気を味わっています。

沿線施設：文化施設が集まるエリア

パークロード沿いには、山口県庁、山口県警察、山口県政資料館（旧県庁舎）、山口藩庁門、山口大神宮、高嶺城跡、山口県立山口博物館、亀山公園、山口県立美術館、山口県立山口図書館・山口県文書館、サビエル記念聖堂、山口市役所、山口地方合同庁舎など、多くの歴史的建造物や文化施設が立ち並んでいます。これらの施設と調和した景観が、パークロードの大きな魅力となっています。

まとめ：山口市の象徴、そして未来へ繋がる道

山口県道203号厳島早間田線「パークロード」は、単なる道路ではなく、山口市の歴史、文化、そして自然が一体となった象徴的な空間です。これからも、市民の憩いの場として、そして山口市の発展を支える重要な道路として、その役割を果たしていくことでしょう。

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